韓国の国債の利回りが上昇しています。これは国債が売却されていることを意味します。以下をご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用:以下同/日足)。
これは最も枚数の多い韓国債3年物の利回りチャートですが、着実に上昇トレンドで、2023年07月07日時点で「3.735%」。
直近最高値の2023年03月03日「3.918%」に向かっています。
時間軸をさらに引いてみると以下のようになります。
2022年10月に大きなピークがありますが、これは例の『韓国レゴランド』ショック、『興国生命』ショックがあったためです。
地方政府がケツモチをするはずのABCP(Asset-Backed Commercial Paper:資産担保コマーシャルペーパー)の償還拒否と、永久債のコールスキップという世にもあほらしい事態によって、資金が逃げ出したのです。
韓国の金融市場はそもそも規模が大きくなく、また大手生命保険会社が「コールスキップしてもいいんじゃねえか」と考えるほど甘いのです。この事実をとっても韓国金融市場は非常に脆弱であることが分かります。
上掲のとおり、韓国債の利回りは再び上昇トレンドとなっています。これは韓国債が売却されていることと同時に資金調達金利の上昇を意味しています。
韓国政府が史上初の「円建て外平債の発行」※を発表し、企業も一つよろしくとしているのは、金利が安い日本で発行する方が得と考えているからに他なりません。
※外平債は現在では国債に分類されていますが、『韓国銀行』の資料などでは今でも発行額を外平債とまとめて残高金額を明らかにしています。
韓国の金利を巡る戦いは終わりません。あと17日で次の『FOMC』(Federal Open Market Committeeの略:連邦公開市場委員会)です。
毎度おなじみの『Fed Watch』では2023年07月09日13:19現在、アメリカ合衆国の政策金利は「5.25-5.50%」(= 25bpの上昇)になると予測しています(93.0%)。
韓国の金融通貨委員会は果たして追随する決断をするでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)