買収問題がこじれてドボンになった『イースター航空』の横で、韓国航空産業の二番手『アシアナ航空』が飛ぶ話が完結しておりません。
ここにきて『アシアナ航空』が国有化されるのではないか、という観測が出ました。
『アシアナ航空』が飛ぶという、ここまでのあらすじ
そもそも、『アシアナ航空』は2019年に経営難に陥っていたため、『HDC現代産業開発』が買収するという話だったのです。
2019年末には買収のための契約もかわしています。
ところが、新型コロナウイルス騒動で同社の業績はさらに傾き、買収に名乗りを挙げていた『HDC現代産業開発』は「買収契約締結時に開示されていなかった債務があった」などといって撤退へ。
「お前んとこが買うっていうから、うちらは支援するって言ったんじゃないか!」と、『アシアナ航空』の債権団でもある国策銀行『産業銀行』『輸出入銀行』はおかんむり。支援表明をした後でハシゴを外された格好となりました。
なんとかまとめたい債権団(国策銀行が主導)は『HDC現代産業開発』をなだめすかしますが、同社の態度は消極的なママ。
買収が流れるのであれば、結局状況は2019年に逆戻りで、事実上の破綻企業になります。その上、新型コロナウイルス騒動で業績・資金繰りはさらに悪化している。
他に同社を買収しそうな企業もないし、いよいよ飛ぶぞ、というわけです。
国策銀行の保有する債券を株式に転換して国有化!
で――「国有化」という話が出ているのです。
具体的にどうするのかというと、主債権者は『産業銀行』と『輸出入銀行』で『アシアナ航空』の債券を8,000億ウォン分保有しており、これを株式に転換すれば同社の株式37%を保有する筆頭株式の一丁あがり!――だそうです。
新型コロナウイルス騒動が収まって業績が回復すれば、そのときに売却すればいい、というわけです。
しかし、国策銀行に経営などできないでしょうし、うまくいかない可能性の方が高いでしょう。
本件を報道した、韓国メディア『NEWSIS』では、以下のような世宗大学の黄教授の言葉を引いています。
黄教授は「英国航空、タイ国際航空などの事例を見ても、世界的に国有化された航空会社の成功した事例はほとんどない」とし「最善は『HDC現代産業開発』との交渉を通じて買収が実現されて民間企業が経営を主導すること」と説明した。
⇒参照・引用元:『NEWSIS』「アシアナ『国営航空会社』で再生できるか」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
さて、『アシアナ航空』は結局どうなるでしょうか!?
(吉田ハンチング@dcp)