2020年08月13日、日本メディア『日本経済新聞』が74品目についての「2019年の主要商品・サービスシェア」を記事にしました。これは『オムディア』(イギリス)『IDC』(アメリカ合衆国)などの世界の調査会社のデータをまとめたもの。
韓国メディアでは、この日経の記事を引き「世界1位の製品の数が日本と同数」と自国を称賛しています。
調査会社によってもこの手のデータ(シェア)は変動するのですが、同記事で韓国が1位になった「主要商品・サービス」とはなんでしょうか? 以下になります。
1.DRAM:『サムスン電子』
2.NAND型フラッシュメモリー:『サムスン電子』
3.有機ELパネル:『サムスン電子』
4.大型液晶パネル:『LGディスプレー』
5.薄型テレビ:『サムスン電子』
6.スマートフォン:『サムスン電子』
7.造船:『現代重工業』
毎度おなじみの「半導体メモリー」「液晶ディスプレー」「スマホ」「造船」の4つにまとめることができます。
とはいえ、この4つは韓国が主力輸出製品としているもので、特にメモリー半導体に寄るところが大きく、ここは他社・他国に抜かれるわけにはいきません。
しかし、先行きが怪しくなってきたのはかねてよりご紹介しているとおりです。特にアメリカ合衆国と中国の対立がどうなるかで大きな影響を受けるでしょう。
「有機ELパネル」は、『サムスン電子』のシェア「73.5%」、『LGディスプレー』のシェア「15.9%」と圧倒的なので、しばらくは持ちそうですが、それ以外の液晶パネル関連は問題です。
中国の『BOEテクノロジー』が猛烈に追い上げているからです。同社はすでに世界最大のLCDパネルメーカーになっています。率いるのは王東升さんで、この人がまた大したオッサンなのですが、長くなるので端折ります。
中国は、
先進技術を持つ外国企業を呼んで、自国の企業に技術を学ばせ、習得し終わったら海外企業を放り出す
(技術を習得した中国企業が安価に製品を売るので中国で商売が成立しなくなり撤退せざるを得なくなる)
を繰り返してきました。
「液晶パネル」もまたこの轍を踏んでいます。さらに、合衆国と中国の対立によって、中国は自国企業からの部材調達を進めるでしょう。韓国にとって最大の輸出相手国がライバルというイヤな構造になっているのです。先行きにはずいぶんな暗雲が立ちこめています。
最後に造船ですが、韓国の造船業というのは斜陽産業です。先にご紹介したことがありますが、「カタールからの正式なオファーが年末までになければ枯死するかもしれない」という悲観的な予測がメディアから出るくらいなのです。
――とうわけで1位になった商品(サービスはないので)も将来が不安視される部分がずいぶんあるわけです。喜んでいる場合じゃないんじゃないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)