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「多国間通貨スワップ」韓国は貸す側ですよ。借りる気満々ですけれども

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日中韓財務大臣、中央銀行総裁会議が開催され、2021年05月03日、共同メッセージが出されました。

この中に、「ASEAN+3」間で締結された「多国間の通貨スワップ取り決め」――「チェンマイ・イニシアティブ・マルチラテラリゼーション」(Chiang Mai Initiative Multilateralisationの略:略称「CMIM」)についての言及があります(長いので以下「チェンマイ・イニシアティブ」と表記)。

韓国では、金融危機時にはこの「チェンマイ・イニシアティブ」から384億ドルを調達できるとしていますので、日中韓による共同メッセージで言及があることは重要です。

以下に共同メッセージからその部分を引用します。

(前略)
3. Given the heightened uncertainties surrounding the region, we stress the importance of ensuring the operational readiness of the CMIM.

We welcome the entry-into-force of the amended CMIM Agreement on 31 March 2021, reflecting our historic achievements in September 2020. The amended CMIM Agreement includes (i) the increase in the IMF De-Linked Portion from 30% to 40% as well as (ii) the institutionalization of the local currency contributions in the CMIM on a voluntary and demand-driven basis for both requesting and providing parties.

We also welcome the successful completion of the 11th test run last year.

Building upon these efforts, we look forward to further progress on enhancing the operational readiness and effectiveness of the CMIM through forthcoming updates on the CMIM Operational Guidelines to incorporate the adoption of the new CMIM reference rate by the end of 2021, and the procedures for the use of local currency, together with the proposed 12th Test Run, and constructive discussions on the CMIM future direction.

Given the emerging needs to respond to the structural challenges and their profound implication to regional economic and financial stability, we will explore new initiatives to strengthen the ASEAN+3 Regional Financial Safety Net.

3. 地域を取り巻く不確実性が高まっていることを踏まえ、我々は、CMIMの運用態勢を確保することの重要性を強調する。

我々は、2020年9月の我々の歴史的な成果を反映し、2021年3月31日に改正CMIM協定が発効することを歓迎する。

改正CMIM協定には、

(i)IMF非連動部分を30%から40%に引き上げること、および

(ii)要請国と提供国の双方が自発的かつ需要主導型でCMIMにおける現地通貨拠出を制度化すること

が含まれている。

また、昨年の第11回テストランが成功裏に終了したことを歓迎する。

これらの努力に基づき、我々は、2021年末までの新たなCMIM参照レートの採用を盛り込んだCMIM運用ガイドラインの近日中の更新や、提案されている第12回テストラン、およびCMIMの将来の方向性に関する建設的な議論を通じて、CMIMの運用準備と有効性を高めるためのさらなる進展を期待している。

構造的な課題に対応する必要性が高まっており、それが地域の経済・金融の安定に大きな影響を与えていることから、我々は、ASEAN+3地域金融セーフティネットを強化するための新たな取り組みを模索する。
(後略)

これは先にご紹介しましたが、「チェンマイ・イニシアティブ」の改訂によって、危機時には『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)のプログラムと連動せずに利用できる金額が30%から40%に引き上げられました。

韓国の場合は、

貢献額:384億ドル × 借り入れ乗数:1 × 40%153億6,000万ドル

が、死神と呼ぶ『IMF』のプログラムと連動しないで調達できる金額です。

ただし、そもそも「チェンマイ・イニシアティブ」はASEAN諸国が金融危機でドボンにならないように設立されたもの。いざというときは危機に強いとされる日中韓が助けますよ、という主旨のものです。それは以下のとおりの「貢献額」にも現われています。

日本:768.0億ドル(貢献割合:32.0%
中国(本土 + 香港):768.0億ドル(貢献割合:32.0%
韓国:384.0億ドル(貢献割合:16.0%
ASEAN合計:480.0億ドル(貢献割合:20.0%
合計:1,920.0億ドル

ですので、主旨からいって韓国はお金を借りる側ではなくて、貸す側なのです。また、「チェンマイ・イニシアティブ」で合計「1,920億ドル」のお金がどこかの口座にあって、危機時にはそこからホイホイ引き出せるというものではありません。

韓国メディアでは危機時に利用できる外貨として「チェンマイ・イニシアティブ」の384億ドルを上げますが、「貸す側のあんたが利用するのか!」という、いささか格好悪い話ともいえるのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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