2021年05月17日、韓国の産業通商資源部から「2021年04月の自動車産業の月間動向」が公表されました。非常に興味深いデータなのでご紹介します。ひと言でいえば、「半導体不足が表面化してきた」内容となっています。
以下をご覧ください。
生産台数:32万3,644台(対前月比:-3.1%)
韓国内販売台数:16万1,097台(対前月比:-6.0%)
⇒国産車:13万5,146台(対前月比:-3.8%)
⇒輸入車:2万5,951台(対前月比:-15.8%)
輸出台数:18万8,293台:(対前月比:-3.2%)
輸出金額:41.5億ドル(対前月比:-5.7%)
自動車部品輸出:20.4億ドル(対前月比:-6.3%)
全てが対前月比割れです。2021年になってから01~03月と、コロナ禍による急激な落ち込みから回復してきたのですが、04月になってこれまでの回復にブレーキがかかしました。
韓国メディアでは、恐らく「対前年同月比」(2020年04月と比較した増減)に着目して「自動車産業の回復!」という見出しが躍るでしょう。
対前年同期比では以下のようになります。
生産台数:32万3,644台(対前年同月比:+11.8%)
韓国内販売台数:16万1,097台(対前年同月比:-3.8%)
⇒国産車:13万5,146台(対前年同月比:-6.3%)
⇒輸入車:2万5,951台(対前年同月比:+12.1%)
輸出台数:18万8,293台:(対前年同月比:+52.8%)
輸出金額:41.5億ドル(対前年同月比:+73.4%)
自動車部品輸出:20.4億ドル(対前年同月比:+99.9%)
対前年同月比で見れば、「輸出台数+52.8%」などの派手な数字になりますが、2020年04月は対前月比で「44.6%」も減少した月でした。ですから、2021年04月に輸出台数が「+52.8%」という派手な回復になっても当然の結果なのです。
それよりも、「対前年同期比」で見ても、韓国内の販売台数が「-3.8%」と減少している点が問題です。
つまり内需が弱っていることを意味しているからです。
世界的半導体不足はまだ続きそうですので、韓国の自動車産業の第2四半期の業績は不透明になってきました(対前年同期比では上昇するでしょうが)。
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「2021年04月の自動車産業の月間動向」
(吉田ハンチング@dcp)