G7開幕前にアメリカ合衆国のイエレン財務長官が「利上げ」について言及するなど、金融緩和から金融引き締めに向かうのではないかと注視されています(もちろん今回、イエレンさんはFRB議長ではありませんが、前議長、現財務長官ですのでその言動には大変に注目されています)。
韓国でも急上昇で『韓国銀行』がアップを始めた
というのは――当局の想定よりも早く物価が上がっているというデータが出たからです。2021年06月10日、合衆国労働省が発表したデータによると、消費者物価指数は対前年同月比で「5.0%」となりました。これは市場予想を大きく上回るものだったのです。
インフレが懸念される場合には金融当局は利上げに動かなければなりません。合衆国での兆候を受けて、韓国でも中央銀行である『韓国銀行』がアップを始めています。
先にご紹介しましたが、消費者物価指数の急騰は合衆国ほどではないにしろ、韓国でも検知されているからです。合衆国と韓国の「対前年同月比」消費者物価指数の推移を見ると以下のようになります。
05月の韓国の上昇率「2.6%」は1年9カ月ぶりの大きな上昇幅です。
韓国メディアによれば、『韓国銀行』の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は、『韓国銀行』の創立71周年記念の言葉で「現在の緩和的な金融政策を適切な時点から正常化していかなければならない」と発言したとのこと。
面白いのは、このような発言を市場は華麗にスルーしたことです(笑)。以下をご覧ください。
KOSPIは「知ったことか」とばかりに上昇しています。インフレ懸念は一時的なものとたかをくくっているのかもしれません。ただし、インフレ懸念が深まり、実際に合衆国のFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)がテーパリングを具体的に始めたら……という話です。
(吉田ハンチング@dcp)