参議院議員選挙が終わり、脇の甘い岸田文雄日本首相の動向が気になります。
韓国は日韓関係をよくするために、なぜか焦っており、いわゆる徴用工問題を解決するためのプランを持って、近々韓国の朴振(パク・ジン)外交部長官が来日するという話まで出ています。
「韓国政府が代位弁済する」というプランを持ってくるのではないか、という見方があります。
「代位弁済」というのは、債務者の代わりに代理人がその債務を引き受けるというものです。つまり、韓国政府が日本の代わりに債務を引き受け、損害賠償を求める労働者にお金を支払う――という話です。
しかし、このプランを認めるということは、「日本に債務があることを認めた」という意味になります。韓国政府が支払った分は、後で日本政府に請求することができる理屈になります。
とんでもない話です。日本には債務などありません。1965年の日韓請求権協定によって、日本の韓国に対する債務はすっかり精算されたというのが大前提です。
西岡力先生が、この「代位弁済」なるプランについて日本人(そして日本政府)に対して警鐘を鳴らしていらっしゃいます。日本人(そして日本政府)は、韓国の持ってくるプランに対して、西岡先生の警鐘を肝に銘じるべきです。
西岡先生の近著より以下に引用してみます、
(前略)
日本としては、韓国政府が現金化をしないための措置をとるなら、それは肯定的に評価できる。しかし、日本政府に債務があるとは決して認めてはならない。労働者にお金を払うのはあくまでも韓国国内の手続きだという立場を貫くべきだ。
ちなみに、この「代位弁済」には韓国から怪しい話も付随して出てきている。
それを実施するために、1998年の小渕恵三・金大中日韓共同宣言のように、日本にもう一度謝ってくれというのだ。
しかし謝るのは、強制連行があったことを認めるのに等しいので、日本政府としては呑めるわけがない。
韓国を併合統治し、韓国人に日本の戦争に協力してもらったことは、今の価値観からすれば遺憾であったとしても、当時は合法だった。日本は、「国際法違反は一切していない、賠償責任は発生しない」と言い続けるべきだろう。
韓国側は、こちらが何度謝ってもまた持ち出すということを繰り返してきた。
「その過ちをまた繰り返すのか」と問うことも重要だ。
(後略)※強調文字、赤アンダーラインは引用者による。
⇒参照・引用元:『韓国の大統領はなぜ逮捕されるのか 北朝鮮対南工作の深い闇』著:西岡力,草思社,2022年06月24日 第1刷発行,pp.56-57
つまり、「代位弁済」という話自体がワナのようなものです。こんな話にノってしまったら「1965年の日韓請求権協定」を自ら否定することになります。
西岡先生が指摘していらっしゃるとおり「日本は韓国に対する債務などもうない」という態度を貫くべきなのです。
「謝罪してくれ」という要求も一蹴すべきです。
西岡先生は「呑めるわけがない」と書いていらっしゃいますが、筆者には、日本政府に対する「まさか呑むつもりじゃあるまいな」という警告のように思えます。
また、最後の「『その過ちをまた繰り返すのか』と問うことも重要だ」は、日本政府に対する言葉でしょう。私たち国民は、日本政府に「また過ちを繰り返すのか」と突きつけるべきです。
2015年の慰安婦合意は反故にされました。尽力された安倍晋三元首相はもういらっしゃいません。もし、岸田首相が過ちを繰り返すのであれば、安倍さんも草葉の陰で嘆かれるに違いありません。
岸田政権がおかしな合意をしないように目を光らせる必要があります。
(吉田ハンチング@dcp)