『韓国銀行』が0.5%利上げを決めた同日に、アメリカ合衆国が消費者物価指数を発表して……という話です。
2022年07月13日、アメリカ合衆国労働省から06月の消費者物価指数が発表されたのですが、対前年同月比で「9.1%」上昇という衝撃的なものでした。
エコノミストの予測は「8.8%」というものでしたので、それを上回る数字となりました。
衝撃的な数字ですが、先のように「そろそろ落ち着くんじゃないかしら」というメンタルだったところに「8.6%」と予想を覆す数字が出た――よりは、与えたショックはマシかもしれません。「秋まではもうしゃーないだろ」という感じになっていますので。
しかし、この9.1%という数字は1981年11月の9.6%以来で最大の上昇率です。
生活に大きな影響を与える項目での上昇は顕著です。
居住費:+7.3%
光熱費:+17.6%
輸送費:+19.7%
ガソリン:+11.2%
エネルギーと食料品を除いたコア指数は「5.9%」上昇で、こちらも予測の5.8%より上にいきました。ただし、前月の「6.0%」上昇よりは低くなりました。
この結果を受けて、来る2022年07月26・27日の『FOMC』(Federal Open Market Committeeの略:連邦公開市場委員会)の利上げ判断が焦点になります。
ジャイアントステップ0.75%(=75bp)を踏むという予測だったのですが、「9.1%」という結果ですので、一気に「1.0%」(=100bp)を選択する可能性が出てきました。
先にご紹介したとおり、07月13日、『韓国銀行』は基準金利を「0.5%」(=50bp)上昇させました。これによって、「2.25%」となったわけですが、仮に『FOMC』で政策金利を「1.0%」上昇との決定がされれば、
韓国:2.25%
と完全に金利が逆転します。当然ですが、ドル高ウォン安がさらに進行するでしょう。
李昌鏞(イ・チャンヨン)『韓国銀行』総裁は、「(今回は0.5%上げたが)以降は0.25%ずつの上昇が望ましい」なんて言っていたのですが、そうもいかないのではないでしょうか。
韓国金融当局の動きにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)