韓国の統計庁と関税庁が協力して作成した「TEC」(Trade by Enterprise Characteristicsの略:企業特性別貿易統計)が2020年12月18日公表されました。これは企業の特性別に貿易について分析してみようという統計データです。
韓国経済にとっては輸出が最も大事で、輸出金額が大きくないと韓国は成立しません。それが弱体化してきているというのはMoney1で何度もご紹介しているとおりです。
上掲は、『韓国銀行』の公表している「国際収支統計」から作成した韓国の輸出金額の年次の推移です(ただし2020年は01-10月)。ご覧のとおり、「2018年:6,263億ドル」をつけた後「2019年:5,620億ドル」と大きく下がり、2020年は新型コロナウイルス騒動でさらに下がって締まる予定です。
で、今回の「TEC」のデータは、2019年に韓国企業の輸出が大きく下がったことを如実に示しています。まず以下です。
輸出額:5,412億ドル(対前年比:10.3%減少/621億ドル減少)
※「TEC」では営利企業だけを対象とするので「国際収支統計」など既存の統計データとは数字が合いません。
輸出に携わる企業が増えているのに輸出金額が「10%」も減少しているのです。
●中堅企業の輸出金額:対前年比:4.6減少
●中小企業の輸出金額:対前年比:3.5%減少
企業の規模が大きいほど輸出金額の減少幅が大きくなるのです。韓国経済は良くも悪くも『サムスン』グループなど、規模の大きな系列会社に支えられていますが、大きいほど輸出業績はへこんでいるのです。韓国経済にとっていいことではありません。
先にご紹介したアメリカ合衆国財務省の「Macroeconomic and Foreign Exchange Policies of Major Trading Partners of the United States」(合衆国の主要貿易相手国のマクロ経済と為替政策)の中にも、
と書かれていました。このまま輸出依存で進んで回復するのか?が疑問ですし、もはや内需依存に転換して……というポイントも過ぎました。韓国経済は識者の予測よりも早く縮小していくかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)