アメリカ合衆国・財務省のジャネット・ルイーズ・イエレン(Janet Louise Yellen)長官が2022年07月19日に韓国を訪問します。
ここでなんとか「通貨スワップ」を締結できないかと、韓国メディアの声が大きくなっていますが、『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は、先にご紹介したとおり「知らんがな」な態度。
政府機関も冷淡な態度で、盛り上がっているのは韓国メディアと、毎度おなじみの世宗大学のキム・デジョン教授など「識者」の皆さんです。
そのような中、政府与党『国民の力』の成一鍾(ソン・イルジョン)政策委員会議長が「バイデン政権に通貨スワップを提案したが駄目だった」という話をしています。
実は、これは先にご紹介した2022年07月12日のラジオ番組内での発言です。ふわふわした内容なのでいかがなものか……なのですが、ここにきてまた韓国メディアが取り上げていますので、ご紹介します。
まず、以下の部分。
(前略)
「2カ月前、バイデン大統領の訪韓に合わせ、私が立ち上がって米国大使、駐韓アメリカ商工会議所、韓米協会のような方々と直接会議をしながら、バイデン大統領が来たとき(尹錫悦大統領を)支援できるように会議を推進したことがあった」
(後略)
韓国のエラい人が大好きな「わしが討って出る」です。で、どうなったかというと……。
(前略)
成(ソン)議長は「ところが、その時、これ(通貨スワップ)には秘密とする部分があって、進行をしたが中断された」とし、「(通貨スワップ推進が)あまりにも公になるのは少し都合が悪いようだ」と話した。
(後略)
「通貨スワップ」についての会議を「私が」推進しようとしたが中断された、と主張しています。結局、バイデン大統領と尹大統領の本件についての会議は開けませんでした――という話になっています。
中断の理由は「あまり公にせず、秘密にしておかないといけない」という判然としない話となっています。そもそも本当のことなのか、と思わされますが、結局のところ「合衆国から拒否された」ということではないでしょうか。
実は、この『News1』の記事が面白いのは、こんなふわふわした話ではなく、韓国政府の保有するドルについて語った部分です。
「外貨がないんだー!」
以下の成議長の発言をご覧ください。
(前略)
「今、我々は高為替レートであり、為替レート防御のために国家が持っているドルを市場に多く売却したが、今ドルが減っている。韓米通貨スワップが必ずしなければならない」とした。
(後略)
成(ソン)議長は、韓国政府が手持ちのドルを「ウォン安」阻止のために溶かしてしまい、ドルが減っている――とはっきり言ってしまいました。
「(だから)米韓通貨スワップが要るんだ」と言っています。
ウォン安阻止で自分でドルを溶かしておいて、足りなくなったので「通貨スワップ」が要るというのです。合衆国からすればまさに「知らんがな」です。
こんなことを言って大丈夫なのか、と見識を疑います。
(柏ケミカル@dcp)