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『韓国銀行』総裁は「米韓通貨スワップ」にまるで他人事。

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よせばいいのに――という話です。

韓国では、2022年07月19・20日に訪韓するアメリカ合衆国・財務省のジャネット・ルイーズ・イエレン(Janet Louise Yellen)長官に「米韓通貨スワップの締結について交渉する」ことへの期待が(よせばいいのに)高まっています。

ウォン安が通貨危機レベルといっていいほどに進行し、また通関ベースながら貿易赤字が連続しているなど、韓国経済の先行きが大変によろしくありませんので無理もないのですが、現在は財務省長官であるイエレンさんに「通貨スワップ」の件を交渉するなど、何度だっていいますが、完全に筋違いです。

韓国が欲しがっているドル流動性スワップは、中央銀行たる合衆国連銀の管轄です。政府から独立しているという建て付けの中央銀行同士の話であって、政府の人間であるイエレン長官に言う話では本来ありません。

李総裁は恐らく半笑いだったろう

2022年07月13日、『韓国銀行』が0.5%(=50bp)の利上げを発表しましたが、この発表の後、李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁が記者からの質問に答えたのですが、「通貨スワップ」についての質問が出たのです。

質問は「イエレン長官の韓国訪問を機会に米韓通貨スワップを議論する可能性は?」というものでした。

『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁が(恐らく半笑いで)記者の質問に以下のように答えています。

「米韓通貨スワップは米国財務省の業務ではなく、米国連銀の役割であるため、イエレン長官に米韓通貨スワップを直接話すのは不適切だ

一刀両断ですね。

前任の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は叩き上げで、酸いも甘いも噛み分けた――という風情がありましたが、どうも李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁には「ははっ、オレ馬鹿嫌い」という風が感じられます。

イエレンさんは連銀の人じゃないだろ。分かってるよね?」と言いたかったのではないでしょうか。

もっとも以下のようにも付け加えています。

「ただし、前回バイデン大統領が訪韓した際に、両国間の外国為替市場の安定のためにさまざまな方案を考慮すると両首脳が言われたので、それに関する話は自然に秋慶鎬(チュ・ギョンホ)企画財政部長官とイエレン長官の間にあるのではないかと期待している」

韓国が求めるドル流動性スワップは、中央銀行同士の契約です。李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は、合衆国連銀のカウンターパートのTopなのです。

その人にして、このような秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官に丸投げしたかのような……まるで他人事のような言い草です。

李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は、『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)のアジア・太平洋局長を務めたことのある人なので、分かっているのです。

頼もしくはありますが、「韓国に対する愛はないのか」と問い詰められそうではあります。

それにしても尹錫悦(ユン・ソギョル)政権を支える人物は、文在寅政権時代とは違った意味で多士済々で、見ていて楽しいですな。

ただし、李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は文在寅大統領の指名によって『韓国銀行』総裁になりました。文大統領にしてはいい人を選んだといえます。

(吉田ハンチング@dcp)

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