韓国の輸出を支える半導体企業『サムスン電子』と『SKハイニックス』ですが、現在は苦境に陥っています。
IT関連の需要が低迷し、メモリー半導体の価格が下落しているためです。メモリー半導体が安くなって売れませんので在庫が拡大し、これが業績を圧迫してもいます。
総売上:44兆6,481億800万ウォン(3.8%)
営業利益:7兆66億1,400万ウォン(-43.5%)
当期純利益:2兆4,388億6,700万ウォン(-74.6%)
※( )内は対前年同期比の増減
通期で見ると「もうかっているじゃないか」と思われるかもしれませんが、対前年同期比での増減が示しているとおり、業績には大ブレーキがかかりました。これは第3四半期、第4四半期の低迷が理由です。
2022年第4四半期の業績は以下のとおりです。
総売上:7兆6,985億7,100万ウォン(-37.8%)
営業利益:-1,兆7,011億7,700万ウォン(赤字転換)
当期純利益:-3兆5,235億3,500万ウォン(赤字転換)
第4四半期の営業利益は「-1兆7,011億7,700万ウォン」までいきました。
この業績が2023年も続くのか?が問題で、これはIT需要の低迷がどこまで続くのか、またいつ回復するのかに依存します。
少なくとも第1四半期は無理だろうと見られていたのですが、韓国の証券会社から「第2四半期も無理」という予測が出ました。
2023年02月22日、韓国『KIWOOM(キウム)証券』は、『SKハイニックス』の2023年第1四半期、第2四半期の営業利益を市場見通しを下回る「-3兆ウォン台」となる――と予測。
第1四半期:-3兆2,000億ウォン
(市場予測:-2兆7,000億ウォン)
第2四半期:-3兆6,000億ウォン
(市場予測:-2兆6,000億ウォン)
『キウム証券』の予測は、市場予測よりも第1・2四半期合計で「1兆5,000億ウォン」も下をくぐるだろう、という容赦ないものとなっています。
理由としては、「NANDの場合、業況改善による営業赤字幅の縮小が予想されるが、DRAMは年初から急激に悪化した需要と不利な価格交渉状況などによって赤字幅が拡大する」としています。
また、2023年通期では「市場予測の営業利益:-8兆2,000億ウォン」なのですが、これに対して『キウム証券』は「-11兆ウォン」。
当たるも八卦、当たらぬも八卦ですが、そもそも市場予測も通年でマイナスなわけで、韓国の輸出の屋台骨を支える半導体企業『SKハイニックス』にとって2023年は非常に苦しい年と見られているのです。
(吉田ハンチング@dcp)