韓国で問題になっている「鉄筋ヌケ」マンションの件です。
調査の結果、『LH』(韓国土地住宅公社)が前官業者に特別に利益を与えていた――と分かりました。『LH』出身の人が創業したり、役員を務めたりする会社に多く仕事が発注されていました。
まあ、よくある話ですが、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が「利権カルテルを潰せ」と号令がかかっています。
2023年08月20日、『LH』は緊急会議を開催して、「LH前官カルテル撤廃案」を公表しました。
これが驚くべき内容です。
⇒参照・引用元:『韓国 国土交通部』公式サイト「[장관동정] 국토부,“LH 전관 카르텔 혁파, 단호한 의지로 추진해 나갈 것”」
『LH』が全数調査結果を公表した07月31日以降に、「鉄筋ヌケ」マンションと関わった業者と締結した設計・監理業務の契約は、計11件、648億ウォン規模と把握されました。
この全てを白紙撤回すると決めたのです。
↑元喜龍(ウォン・ヒリョン)国土交通部長官(手前)とイ・ハンジュン『LH』社長(右)。契約の白紙撤回などの説明を行っています。
注目すべきはイ・ハンジュン『LH』社長の発言で、「法的な問題がある可能性があるが、国民の前官排除の世論を考慮し、当該契約を全面キャンセルすることにした」と述べています。
これが「法的に問題があるかも……」としながら行う措置である点です。
つまり「(国民が賛同する)正義のためなら、法を覆してもいい」という態度に他なりません。
図らずも、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は「法治を重んじる政府ではない」ことを自ら暴露したのです。
問題なのは、自分で気付いていないことです。最大野党『共に民主党』も「法治、法治というが、法を破る措置じゃないか」と突くべきです。
しかし、「既存の特権を剥奪する」というお題目に逆らうことが得策でないので、目を瞑っています。政府・与党、野党ともに「法を順守する態度」ではありません。
韓国が法治国家ではない、情治国家であることを自ら証明したのです。
(吉田ハンチング@dcp)