韓国経済は輸出によって支えられており、その輸出の大黒柱は製造業です。
ですので、製造業の景気は韓国経済に大きな影響を与えます。定点観測ですが、2023年09月27日、『韓国銀行』が「2023年9月 企業景況判断指数(BSI)および経済センチメント指数(ESI)」を公表しました。
先にご紹介したとおり、普通BSIは「50」を中立とするのですが、韓国の場合は「100」を中立として、その上下で景況感を判断します。100を超えていると企業が景気がいいと考えていることを示し、100未満の場合には逆に景気が悪いと考えていることを示しています。
2023年09月の製造業のBSIは以下のとおりです。
↑水色の線が当月の景況感を表すBSI。赤い線が次月の見通し。点線は長期平均で「79」製造業のBSI
2023年09月:68(対前月比:+1%ポイント)
次月(10月)見通し:67(対前月比:-2%ポイント)⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2023年9月 企業景況判断指数(BSI)および経済センチメント指数(ESI)」
前月比で+1%ポイントと上がりましたが、そもそも100中立の68で全然いけません。長期平均の「79」より下で、おまけに次月見通しは下落した「67」です。
ご注目いただきたいのは、以下の外需と内需に分けた場合の製造業BSIです。
製造業BSI
外需企業:63
内需企業:71
輸出を担う外需企業の09月のBSIは「63」と非常に悪い結果です。景況感はむしろ悪化しており、底といっていい数値です。
この『韓国銀行』公表のデータを見る限り、「韓国の景気がV字回復する」という予想はしづらい――というのが現状です。
(柏ケミカル@dcp)