2024年も1カ月が経過し、韓国では先にご紹介した「ELS問題」がさらに深刻になっています。基準資産となっている中国・香港ハンセン市場の株価が回復しないからです。
『ソウル経済』の調査※によれば、かつてELSを購入したことがある――という人の割合は以下のようになっています。
50歳代では:96%
60歳代では:95%
70歳以上では:97%
70歳以上では、97%に達します。
つまり、今回香港シンセン指数を基準資産とするELSを購入する際に「リスクについての説明が十分にされなかった」と、まるで被害者のように言い立てている人のほとんどは、以前にもELSを購入した経験があるのです。
ただし、この数字自体は驚くべき結果ではありません。
なぜなら「ELSで証券会社が飛びそうになっていた」2020年にも記事にいたしましたが、そもそもELSは「韓国の国民的財テク商品」と呼ばれるほどポピュラーなものだったからです。
現在、韓国では「ELSを購入して被害を受けた」と主張する被害者(?)が、散髪するなどして抗議活動を行う――という滑稽なシーンが展開されています。
投資で儲けたら自分のもの、損失が出たら賠償しろというのです。
仮に、韓国の金融当局が「ELSを販売する際に、購入者に対して十分な説明を行わなかった」として、救済に乗り出すようなら、それはもはや徳政令に他なりません。また、「投資」には向いていない国であることの証明です。
こういう事態もまた、コリアディスカウントの理由になるのです。
(吉田ハンチング@dcp)