あれっ? 北米市場で韓国電気自動車が好調、車載用電池メーカーの先行きも期待できる――ではなかったのでしょうか。
2024年04月05日、韓国の二次電池企業Top3の一つ『LGエネルギーソリューション』が2024年第1四半期の業績を公示したのですが、「利益が激減した」という結果になっています。
以下です。
2024年第1四半期
総売上:6兆1,287億ウォン(-29.9%)
営業利益:1,573億ウォン(-75.2%)※( )内は対前年同期比の増減
⇒『韓国金融監督院 公示システムDART』公式サイト
まだ粗々な速報なので、当期純利益など詳細なデータが分かりませんが、総売上は3割減少して、営業利益は75%の激減となっています。
しかも公示には注意書きがあるのです。以下をご覧ください。
上記、連結実績内容のうち、「24.1Q営業利益当期実績」金額である1,573億ウォンは、アメリカ合衆国IRA Tax Credit(Inflation Reduction Act)先端製造生産税額控除(Advanced Manufacturing Production Credit)制度(45X)による2024年1分期税額控除金額を含む数値であり、これを除くと、2024年第1四半期の営業利益は-316億ウォン、営業利益率は-0.5%である
一応、営業利益は「1,573億ウォン」となっていますが、これは合衆国のインフレ削減法(IRA)の税額控除を適用された結果※であって、もしこれがなければ「-316億ウォン」の赤字だったのです。
※『LGエネルギーソリューション』が受けたIRAの「Tax Credit」の恩恵は約1,889億ウォン。このTAX Creditはバッテリーの生産量に比例してたくさんもらえることになっています。面白いことに、2023年第4四半期は「約2,500億ウォン」でした。つまり、2024年第1四半期は前期と比較して「生産量が減っている」ことを意味しています。
韓国でもTopに入る車載用電池メーカーの業績が合衆国頼みになってきています。詳細な決算データが出たら再度見てみましょう。
(吉田ハンチング@dcp)