以前にもご紹介したことがありますが、韓国人には1人ずつ「信用評価点数」※がついています。この信用スコアが良くなければ、市中銀行など有力な金融機関で融資を受けることはできません。
※一般には「信用スコア」といわれます。以前は「信用等級」制だったのですが、現在の点数制となっています。
信用スコアは1,000点満点で、どのスコア(何点)の人ならお金を融資してよいか――は各金融機関が内規で決めています。そのため「貸してくれるのか」は金融機関次第。
読者の皆さまのご存じのとおり、韓国の皆さんはやたらに借金する人たちです。借金を借金で返すのもいといません。例えば、2023年06月時点で30歳以下の多重債務者数は「141万9,000人」。この人たちは157兆4,000億ウォンの債務を抱えています(2019年末と比較して51.6%増加しています)。
問題は、韓国の金融機関が融資を渋りだしたことです。
信用スコアが高くても貸さないという動きが顕著になっています。最初は、信用スコアが低い人への融資が絞られ、徐々に信用の高い人への融資も絞るという風に動いているのです。
例えるなら――船が沈没して空間に空間に閉じ込められた、一応呼吸はできるけど、どうしよう水位が上昇してきた、このままだと窒息する――そんな感じです。
「信用スコアが高い人でも融資しない」と、融資のハードルが上がってきたのです。
『NEWSIS』が「ついに信用スコアが900点台あってもお金が借りられなくなってきた」と記事を出しています。以下に記事の一部を引用します。
(前略)
11日、金融界によると、銀行連合会に公示されたKB国民-新韓-新韓-ハナ-ウリィ-NH農協など5大中央銀行の先月新規家計ローン信用スコア(03月取り扱い/KCB基準)は平均933.2点で集計された。昨年12月の平均929.6点から3.6点上昇し、930点台に移行した。
この期間、満期10年以上の分割返済方式の新規住宅担保ローンの平均信用スコアは929.6点から934.2点で4.6点上昇した。
賃貸資金融資は920点から926.6点、一般信用融資は923点から925.8点にそれぞれ上昇した。
(後略)
韓国の五大銀行で「家計ローン」を利用しようとすると、信用スコアが「933.2点」必要(しかも平均値)、「住宅ローン」を利用しようとすると、信用スコアが「934.2点」必要となったのです。
これは本当にまずいことです。とりもなおさず「金融機関から門前払いを食らう人」が増加していることを意味しているからです。このように金融機関がお金を貸し渋ると、皆さんは仕方なく「違法金融」に借りに行きます。
結果がどうなるかは言うまでもないでしょう。
韓国政府はまた「ガチの徳政令」を出さざるを得なくなる可能性があります。
(吉田ハンチング@dcp)