2024年06月『マッキンゼー』が「2024 McKinsey Mobility Consumer Pulse」という傑作なリポートを出しています。
世界15カ国、3万人に200の質問に答えてもらうという大規模な調査で、「電気自動車以外のオーナー」(non-EV owners)に、次はどんなパワートレインのクルマにしますか?と聞いたところ、以下のような結果になっています。
2024年02月の結果
次は電気自動車(BEV):18%
次はプラグインハイブリッド(PHEV):20%
もう一度、内燃機関車(ICE):17%
もう一度、中古の内燃機関車:14%
あと数回内燃機関車で電気自動車にする:10%
電気自動車に乗り換えたくない:21%※「ICE」は「internal combustion engine」の略て内燃機関(車)のことです。
「次は電気自動車」という人は18%にとどまっています。
「2021年:14%」「2022年:16%」ですから、確かに内燃機関車オーナーが電気自動車を望む率は上昇していますが、その上げ幅は期待されたほどではありません。
ちなみに、「電気自動車に乗り換えたくない」と回答した人の理由Top3は以下です。
電気自動車に乗り換えたくない理由Top3
Too expensive……45%
(高すぎるわ!)
Charging concerns……33%
(充電関連が……)
Driving range concerns……29%
(航続距離だよ!)
面白いのは、現在「電気自動車のオーナー」の皆さんの回答です。その29%が「再び内燃機関車を購入する可能性がある」と回答しているのです。
国別に見ると――、
↑『マッキンゼー』リポートにある「電気自動車のオーナーのうち“内燃機関車に戻っちゃおうかなー”な人の割合」国別グラフ。ガソリン車に戻る可能性がある
オーストラリア:49%
アメリカ合衆国:46%
ブラジル:38%
中国:28%
ドイツ:24%
ノルウェー:18%
フランス:18%
イタリア:15%
日本:13%
etc.
――となっています。
なんだか国土の広い国ほど「内燃機関車に戻る可能性がある」と答えるオーナーさんが多いようにも見えます。やはり充電関係で頭にきている人が多いせいかもしれません。
オーストラリアの49%というのもスゴいですが、電気自動車ばかりになっている中国でさえ28%もいらっしゃいます。
電気自動車普及は、内燃機関車から不可逆で進行するものと考えられていたのですが、そうでもないぞ――という結果になったのです。
データ引用元:『McKinsey Mobility Consumer Pulse Media Presentation June 2024』
(吉田ハンチング@dcp)