中国まるで『ゼイリブ』。“1兆元”流動性を増やして「消費しろ」「投資しろ」

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中国当局がお金をじゃぶじゃぶまいていますが、実体経済には効いていません。

しかし、それでも中国当局はお金をまきます。

どん底に沈んだ経済を救わないと、人民の怒りが中国共産党の方を向いて、自分たちの支配が危うくなるかもしれません。いや、実際には「給料払え」などの抗議活動は頻発しているのですが、当局が抑え込んでいるのです。

⇒参照・引用元:『中華人民共和国中央人民政府』公式サイト「中国人民银行:5月8日起降息,15日起降准」

2025年05月07日、『中国人民銀行』は05月15日から金融機関の預金準備率を0.5ポイント引き下げる――としました。これによって、市場に対して約1兆元の長期流動性が供給されると見られます。

また流動性を拡大しました。もちろん経済が絶不調だからです。

面白いのは、自動車金融会社およびファイナンス・リース会社の預金準備率を5ポイント引き下げたことです。

自動車金融会社およびファイナンス・リース会社の預金準備率は、これまでの5%から0%に引き下げられました。これにより融資供給能力が強化される――としています。

これは要するに「クルマをもっと売れ」「もっと設備投資しろ」というメッセージです。

自動車金融会社は、そもそも自動車購入のためのローンを提供する金融機関。この準備率をゼロにすることで、貸出に回せる資金が大きく増える ⇒ ローンを組みやすくし車の販売を刺激するという狙いです。

ファイナンス・リース会社は、企業向けに設備投資(例えば機械や建機など)をリースで支える存在。準備率ゼロにすることで貸出余力が増え、企業の設備更新や投資意欲を促す狙いです。

家計は消費しろ」「企業は投資しろ」です。

中国は、だんだん映画『ゼイリブ』みたいなディストピアになってきました。

『ゼイリブ』はジョン・カーペンター監督による傑作SF映画。主人公があるサングラスを手に入れるのですが、それを掛けると全く違った世界が見えるのです。主人公は「この世界の本当の姿」に気付き……という物語です。

(吉田ハンチング@dcp)

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