中国の電気自動車メーカー『BYD』が好調――というは話になっているかも――しれません。
↑ばかみたいなフォルムの中国『BYD』本社。
さあ本当に大丈夫かな?――です。
以下は、『BYD』が公表した「2024年第3四半期の業績(財務諸表)」中の「気になる点」を少し挙げてみます。
経営活動による現金流量純額
2024年01~09月の数値は562億7,331万元 で、前年同期比で 42.5%減少原因:
商品購入費用が増加。
労務関連支出や従業員への現金支出が前年より増加した。融資活動による現金流量純額
2024年01~09月の数値は-119億6,145万元で、前年同期比から約4,768%減少(赤字に転落して拡大)原因:
本期中に債務の償還と株主への配当金支払いが増加したため。
現金流入が約43%も減少した――となっています。会社経営なんてキャシュフローを回すのが全てですから、根幹のところで大丈夫なのか?ですが、「労務関連支出や従業員への現金支出が前年より増加した」と理由を説明しています。
モノが売れていて、生産を拡大しなければならなくなった――というなら、肯定的にも捉えられるのですが、以下をご覧ください。
ご注目いただきたいのは、黄色マーカーの「存貨(在庫)」です。
2024年01月01日時点の在庫額:87,676,748,000.00(約877億元)
2024年9月30日時点の在庫額:124,358,648,000.00(約1,244億元)在庫増加額:1,244 − 877 = 367億元(約41.8%増加)
在庫が41.8%も増加して、約1.42倍になったのです。これが電気自動車が売れているという結果でしょうか?
「気になる点」は他にもあります。例えば「応収款項融資」です。
これは「売掛金や未収金を基にして調達された融資」を指しています。「取引先に対して製品やサービスを提供したが、まだ代金が支払われていない債権(売掛金や未収金)」を担保にしてお金を借りている金額です。
日本語では「売掛債権担保融資」や「売掛金の流動化」と表現されることが多いです。これが、
2024年9月30日:28,949,634,000人民元(約289.5億元)
――と、420.7%も増加しました。お金を借り倒しています。
さあ本当に『BYD』は好調で、大丈夫なのでしょうか?
中国では企業が破綻して経営者が逃げました――なんて話は日常茶飯事です。
『BYD』は日本にも進出していますが、日本ではそんなことは許されないのを中国人は理解しているでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)