韓国の人口減少問題は今に始まったことではありませんが、日本によりもずっと早く老いていくのが判明して、問題が喉元に突きつけられています。
Money1でもご紹介しましたが、韓国メディアには「今後の10年間が最後のチャンス」という報道も出ています。
2024年07月30日、韓国の統計庁が非常に興味深いデータを公表しました。「2024年5月経済活動人口調査高齢層付加調査結果」というプレスリリースにまとめられています。
以下の摘要をご覧ください。
高齢者(55~79歳)人口は1,598万3千人で前年同月比50万2千人増加。
高齢者の経済活動参加率は60.6%で、前年同月比0.4%p上昇。
高齢者就業者は943万6千人で前年同月比31万6千人増加、
雇用率は59.0%で0.1%p上昇。
高齢者失業者は24万7千人で前年同月比4万6千人増加、
失業率は2.5%で0.3%p上昇。
< 高齢者人口、就業者及び雇用率の推移 > > 高齢者人口、就業者及び雇用率の推移
↑灰色の棒グラフが「高齢者人口」、濃い緑色の棒グラフが「高齢者の就業者数」、折れ線グラフが「高齢者就業率」。
2024年05月時点で高齢者の人口は「1,598.3万人」。韓国の内国人の人国は4,984万人であることが同じ統計庁のデータで分かっていますので、つまり人口の
が高齢者です。
2014年はどうだったのかというと、約22.3%が全人口に対する高齢者の比率でした。
つまり、韓国は人口に占める高齢者の割合が直近10年間でざっくり10%も上がったのです。
面白いのは次のデータです。
●【55~64歳】の就業経験者の最も長く勤務した職場での平均勤務期間は15年10.2カ月(2.3カ月増加)
●【55~64歳】の就業経験者のうち、最も長く勤務した職場を辞めた当時の平均年齢は49.4歳(前年同月と同じ)。
辞めた理由は、
事業不振・操業停止・休業・廃業:29.1%
健康が良くないため:19.1%
家族を世話するため:15.8%の順で高かった。
高齢者が最も長く勤務した会社を辞めた際の平均年齢は「49.4歳」となっています。
韓国では40歳以上になると肩叩きにあうなどで会社にいられなくなるといわれますが、50歳前には辞める人が多いことが分かります。これが老人貧困率の高い理由の一つにもなっていますので、なかなか味わい深い現実を示すデータといえるでしょう。
また、年金受給についてのデータは以下のようになっています。
過去1年間の年金受給者の割合は51.2%(817万7千人)で、前年同月比0.9%p上昇
月平均年金受給額は82万ウォンで、前年同月比9.6%増加
月平均の年金受給額は「82万ウォン」ですから、現在のレートにすると「約8万9,765円」になります。
これが高いか安いかです。
(吉田ハンチング@dcp)