輸出を支えてきた半導体が回復を見せず、対中国輸出も減衰傾向にあるため韓国経済は傾いています。
このまま海外からの融資を増やすと、いつか来たドボン騒動の道になるわけですが、それを回避するため、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は新たな主力輸出品目を作れと号令をかけています。
その一つが防衛産業で、尹大統領は「原発と防衛産業の製品を抱き合わせで輸出せよ」と述べています。そううまくいけばいいのですが、今のところポーランドからの大量受注、アメリカ合衆国経由でのウクライナへの砲弾輸出以外は話が進んでいません。
そもそも韓国の防衛産業に世界市場で戦えるだけの技術力があるのかは、甚だ疑問です。
『韓国経済』に興味深い記事が出ていますので一部を以下に引用しますと……。
戦闘機や潜水艦のエンジン技術格差が、アメリカ合衆国、イギリス、フランスなど「防衛産業先進国」と比較すると20年以上開いているという調査結果が出た。
在来型武器を中心に構成された「K防産(防衛産業の略:引用者注)」の競争力に赤信号が灯ったという分析が出た。
14日、軍や防衛産業界などによると、国防技術振興研究所はこのような内容を盛り込んだ「2022年国防戦略技術水準調査報告書」を最近、国防部に提出した。
国防部が先月19日、国家科学技術諮問会議で2037年までに開発すると明らかにした人工知能(AI)、量子コンピューターなど、10分野30の詳細技術の「現在のスコア」が評価されたものだ。
ステルス戦爆機などレーダーを避けて敵の心臓部を攻撃する戦略兵器の「先端エンジン」の競争力が特に脆弱であることが分かった。
アメリカ合衆国の大手企業である『プラット&ホイットニー』、『ゼネラルエレクトリック』(GE)などに比べ、韓国企業の技術水準は60%(最高水準100%)に過ぎなかった。
格差は少なくとも20年であることが分かった。
現在のミサイル防衛システムを無力化すると予想される極超音速(時速6,000㎞以上)ミサイル技術も同様だ。
『ロッキード・マーティン』などと比べ、韓国企業の技術格差は20年以上開いている。
ディーゼルエンジンと2次電池、燃料電池などを混合した「ハイブリッド電気推進」技術は10年ほど遅れている。
人工衛星・超音速・ミサイル防衛技術は米英の50~60%水準にとどまる
韓国型超音速戦闘機KF-21は「戦闘機の目」である能動型位相配置(AESA)レーダーなどに多数の国産技術を装備した。
しかし、戦闘機の心臓部であるエンジンは合衆国『ゼネラルエレクトリック』(GE)のF414エンジン2基が使われる。
『ハンファエアロスペース』がGE社と提携してライセンス方式で生産するが、源泉技術はGE社にあり、『ハンファエアロスペース』は下請けとして組み立てと生産を行う形だ。
核心技術がないため、KF-21エンジンの国産化率(1号機基準)は39%にとどまっている。
このような現実は、国防技術振興研究所が最近発刊した「国防戦略技術水準調査報告書」に如実に表れている。
報告書によると、先端エンジン分野で韓国防衛産業企業の技術水準は最高先進国(合衆国)と比較して60%にとどまった。
国技院側は「低いタービン入口温度設計、高信頼性素材データの不在、耐空認証関連技術の不足など、技術格差が大きい状態」と指摘した。
(後略)
先にもご紹介しましたが、韓国はしばしば現在もテスト中の「KF-21 ポラメ」を純国産と呼びますが、大ウソもいいところです。
上掲の記事でも書いていますが、肝心のエンジンを単に組み立てているだけなのになぜ純国産
になるのでしょう(単なる組み立てで国産率39%というのも不思議な話です)。
多数の国産技術を装備したというAESAレーダーもきちんと機能しているのか、KF-21のテストから何もデータが公表されていないので不明です。うまくいかなければどこかに泣きつく可能性があります。なにせ韓国なので。
「20年以上遅れている」という自己認識ができていることは立派なものですが、合衆国と比較して本当に「60%水準」もエンジン開発能力があるのでしょうか。
「防衛産業の輸出力に赤信号が灯った」と書いていますが、技術のなさは今に始まったことではないので、赤信号は今灯ったのではありません。
ずっと赤信号なのです。
そもそもコンバットプルーブンのない韓国産の兵器を喜んで買ってくれるところなどないわけです。その兵器に実戦経験がなくても購入できるのは、合衆国やロシア、イギリス、フランスなど赫々たる戦歴がある国で造った物だからです。
ポーランドが韓国産兵器の大量購入に踏み切ったのは異例中の異例で、それが続くと考える方がおかしいのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)