2024年08月12日、中国の国家外貨管理局が2024年上半期の国際収支統計を公表しました(以下)。
このリリースでは、さらっと経常収支についてのみ説明していますが、公表した数字の中に必見のデータがあります。
以下の金融収支内の「直接投資」の部分です。以下が該当部分を切り出したものです。
2024年第2四半期
直接投資
資産の部:-708億ドル
負債の部:-148億ドル
収支:-856億ドル
中国の国際収支統計(の公表データ)は、いくら入ってきたのか、いくら出ていったのかでプラス・マイナスの符号を付けるので、普通とは違って実に見にくいのですが――中国の書きようからすると、外国から中国への直接投資が行われた場合、負債の部に計上され、それはプラスの符号になっていないとおかしい――のです。
実際、中国の統計局が公開している国際収支統計は、上掲のようになっています。
普通の書き方をすると、
2024年第2四半期
直接投資
資産の部:708億ドル
負債の部:-148億ドル
収支:856億ドル
書き方はともかく、重要なのは外国から中国への投資がマイナスになっており、つまりは外国がその分資金を抜いた(中国資産を馬脚した)ことを意味しています。投資しなくなったではなく、抜いたのです。
上期計で「-148億ドル」です。
先にMoney1でもご紹介したとり、中国の統計庁が公表した第1四半期は「+102億ドル」(正確には「101.9697657389億ドル」)でした。
ということは、2024年第2四半期は「-250億ドル」でないと数字が合いません。
つまり、外国の投資家の皆さんは第2四半期だけで中国から(しかも収支で)「250億ドル」も資金を抜いたことになるのです。
この推計が正しいのであれば、2019年1Q~2024年2Qの「外国から中国への直接投資の推移」は以下のようになります。
※統計局はいまだ第2四半期の国際収支統計のデータを出していません(2024年08月14日現在)。
外国人投資家の皆さんは、もはや「中国に投資」とかいうフェーズではなく、中国からお金を抜きに掛かっているのです。
習近平さんはじめ中国共産党の要人が口をそろえて「中国に投資するチャンス」などという大嘘をいうのは、実際お金がなく、外国人投資家が巨額資金を引き上げているためと考えられます。
(吉田ハンチング@dcp)