中国はこれまで経済成長を支えてきた不動産市場が壊滅的な状況となっており、これを回復することが急務です。
中国共産党政府も「お金をまいて」「金利を下げて」といろいろ施策を講じてはいますが、戻りません。
直近では中古住宅が売れてきた――なんて話が出ているのですが、これは本当なのか?――です。
2024年08月、北京では1万4,363戸の中古住宅がオンラインで契約されましたが、07月の「1万5,575戸」からは7.8%の減少です。ただし、対前年同期比では「31%の増加」です。
では、対前年同期比で良くなっているのかというと、契約件数では以下のとおりです。
中古住宅の契約件数(北京)
2023年:10万5,010 戸
2024年:10万4,718 戸
大して変わりません。中古住宅の販売数が増加している――という話は直近08月については「対前年同期比では」正しいということになります。
販売件数は維持されているかもしれませんが、問題は価格です。以下は08月の北京で販売される中古住宅のトレンドです。
1平方メートル当たり:4万7,668元
対前月比:-1.6%
対前年同期比:-15.03%
価格は上掲のとおり、どんどん下げていて、これはどこで止まるんだろう――というトレンドになっています。対前年同期比で「-15.03%」というのは相当な下落です。
つまり、販売件数が前年と大して変わらないのは、価格が下がっているからではないのか――というわけです。
「中古住宅の販売が回復してきた」という話は、どうも眉唾です。
(吉田ハンチング@dcp)