韓国大統領に成りおおせた李在明(イ・ジェミョン)さんが、2025年08月25日、アメリカ合衆国のシンクタンク『CSIS』で講演を行いました。

この講演で、李在明(イ・ジェミョン)さんは、米中対立が深刻になっているので、「안미경중(安米経中)」という態度はこれからは難しくなるだろう――と語りました。
「安米経中」というのは、「安全保障は米国との同盟に頼りつつ、経済面では最大の貿易相手国である中国に依存する」という姿勢(あるいは依存状況)をまとめた言葉です。

李在明(イ・ジェミョン)さんは「安米経中は無理だろう」と見通しを語りましたが、これは中国からすれば「それって合衆国側に立つということか?」になります。
さっそく中国が反感を示しています。
英語版御用新聞『Global Times』の社説記事から以下に一部を引きます。
韓国の李在明大統領は08月25日、合衆国のシンクタンクである戦略国際問題研究所(CSIS)で演説を行った。
彼は「安保は米国に、経済は中国に」という論理をもはや維持することはできないと述べ、広範な注目を呼んだ。
(中略)
いわゆる「安保は米国に、経済は中国に」という戦略はかつて、大国間競争の中で韓国が利益を最大化するための現実的な道であった。
それは韓国の米国への安保依存を認めつつ、中国との緊密な経済的結びつきを認識していた。
われわれは韓国が歴史的なつながりや安保上の考慮に基づいて同盟を選択することを理解し、尊重する。
しかし今日の韓国は「他に選択肢がない」という言い訳を戦略的怠惰の口実にして、より困難な問い――すなわち「相当な中堅国家として、百年に一度の深刻な変化に直面する世界でいかに戦略的自律性を維持・拡大していくか」――から逃げているように見える。
「安保は米国に、経済は中国に」というアプローチが過去のものとされ、「他に選択肢がない」というのが韓国外交の最新の注釈となるとき、それは本質的に韓国の国益を米国のグローバル戦略の下位に置くことを意味する。
米国の対中封じ込め戦略や部分的「デカップリング」は、主として自らの世界的覇権を維持することが目的であり、同盟国の安全や経済的利益を守ることではない。
韓国企業が米国の対中輸出規制リストに縛られ、中国市場の一部を放棄せざるを得ないとき、それはまさに「他に選択肢がない」といういわゆる状況の苦い果実ではないのか。
経済的利益が犠牲にされるなら、どうして国家安全保障が盤石に保たれるのか。これは韓国の政治エリートと企業リーダーが計算しなければならない問題である。
(中略)
歴史の教訓は遠くない。
THAADミサイル防衛システムの配備は、朝鮮半島の核問題解決に資さなかったばかりか、中韓関係を深刻に損ない、半島の緊張を高めた。
今日、もし韓国が中国の核心的利益に関わる問題、すなわち半導体、供給網、台湾海峡、南シナ海などでワシントンの命令に盲目的に従い中国を封じ込めるなら、それは自国の国家的運命を危険な戦車に縛りつけるようなものである。
(中略)
中国と韓国は動かすことのできない近隣国であり、地域の平和と安定を維持する共通の利益を分かち合っている。
これこそが中韓関係を米韓関係と区別する核心である。
中国との関係をうまく管理することは、米国と中国の間で「選択」する問題ではなく、韓国自身の死活的利益と発展に関わる「必答の問い」である。
健全で安定した中韓関係そのものが、韓国にとって最も重要な戦略的資産の一つであり、外部からの圧力に抵抗し、朝鮮半島の平和を維持するための堅固な基盤である。
韓国はチェスのプレーヤーとして振る舞うのか、それとも単なる盤上の駒にとどまるのか。
韓国の政治エリートたちは、自国の長期的利益に基づき、独立した判断と決定を下すためのより大きな戦略的決意を示すべきである。
もちろんこれは韓国を合衆国側に行かせないための言説であって、それ以外のなにものでもありません。
「THAADミサイル防衛システムの配備は、朝鮮半島の核問題解決に資さなかったばかりか、中韓関係を深刻に損ない、半島の緊張を高めた」と書いていますが、これは――
「経中」やめるなら、THAAD問題のときのように「限韓令」でぶん殴ってやるからな
――という脅しです。
韓国内の政治情勢ならいくらでもガラをかわせた李在明(イ・ジェミョン)さんですが、このように合衆国と中国の双方からギュウギュウ締められています。
どのように対処するつもりでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)







