そんなもんはねーよ――という話なのですが、韓国メディア『イーデイリー』が間抜けな記事を出しています。ウォン安方向に戻していますので、出るべくして出た――なのですが。
以下にその間抜けな記事から一部を引用します。
(前略)
関税交渉の結果を盛り込んだ韓米ファクトシートには、韓国の外国為替市場の安定に関連し、対米投資が市場不安を引き起こしてはならないという内容が含まれている。これに先立ち、具潤哲(ク・ユンチョル)副首相兼企画財政部長官は『Reuters(ロイター)』とのインタビューで、「対米投資を今年上半期中に本格的に執行するのは難しい」と述べた。
スコット・ベッセント合衆国財務長官は先週、具副首相と会い、ウォン価値の下落(為替上昇)が「韓国の強固なファンダメンタルズと整合しない」として側面的な支援に乗り出したが、一時的な効果にとどまった。
「リップサービス」だけでは不十分だ。
総額3,500億ドルの対米投資が為替不安を招いた原因の一つであるならば、われわれとしてはファクトシートを根拠に、合衆国に通貨スワップ協定の締結を要求する名分がある。
合衆国との対米関税交渉で、米韓はファクトシートを出し、MOU(了解覚書)を締結しました。
この間抜けな記事の主張は、二段階で間違っています。
まずウォン安の急速な進展は、米韓の関税交渉妥結による「総額3,500億ドルの対米投資が為替不安を招いた原因」ではありません。
Money1でもご紹介したとおり、また『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁が指摘しているとおり、韓国から外国への投資(証券投資)による巨額のウォン売り・ドル買いです。
この動きは2025年09月下旬から始まっており、米韓関税交渉妥結(2025年10月29日:韓国時間)の前に動き出しています。タイムラインからいっても、ウォン安の急進は「対米投資3,500億ドルが理由」などと言えるわけがなく、これが間抜けな「第1点」です。
そもそも、具潤哲(ク・ユンチョル)財政経済部長官が「2026年は200億ドル投資するは無理っぽい」とこないだ述べたところで、韓国の対米直接投資はまだ始まってもいません。
なぜ「対米投資3,500億ドルがウォン安の理由」などといえるのでしょうか? ばかなのでしょうか。
次に、合衆国が公表した「ファクトシート」、韓国産業通商資源部が公表した「MOU(了解覚書)」のどこにも「韓国の外国為替市場の安定に関連し、対米投資が市場不安を引き起こしてはならない」なんてことは書いていません。


ホワイトハウスが公表した「ファクトシート」には、韓国からいかにカツアゲを行ったか、その金額が羅列されているだけであり、MOUの方にあるのは「8.韓国は、各年ごとに総額200億米ドルを超える「投資」金額の調達を要求されることはない。」と書いてあるだけです。
2025年11月14日、李在明(イ・ジェミョン)さん臨席の下、MOUが締結されたという記者会見が行われ、金容範(キム・ヨンボム)政策室長がMOUの中身を説明する中で、
「韓国とアメリカ合衆国は、MOUが韓国の為替市場安定に及ぼし得る潜在的影響について十分に議論し、同MOUの履行が市場不安を引き起こしてはならないという点で相互に同意しました」
――と説明しましが、これは韓国の大統領府がいっているだけで、合衆国側の「そのような同意をした」という文書はありません。
これが第2の「間抜けポイント」です。
はっきりいえば、韓国の外為市場がどうなるかなど「知るか」というが本当のところです。
「われわれには通貨スワップを要求する名分がある」などという主張の前提が全部間違っているのですから、書き手が誰か知りませんが、同記事は間抜けな記事といわざるを得ません。
もう何度だっていいますが、「通貨スワップさえあればウォン安から抜け出せる」と考えているのは間違っています。韓国は「通貨スワップカルト」にかかったおかしな国です。
面白いので、合衆国にドル流動性スワップを締結してください――と要求すればいいですが、一蹴されるのがオチです。
(吉田ハンチング@dcp)




