2026年04月07日、韓国の大統領府・姜勳植(カン·フンシク)大統領秘書室長が中東情勢についての記者懇談会を行いました。
一応、以下に全文を和訳しましが、今回の本題は大統領府の文書そのものではないので、次の小見出しまで飛ばしていただいて大丈夫です。
中東戦争関連記者懇談会 カン・フンシク秘書室長 冒頭発言
2026.04.07.中東情勢が発生して本日で39日目となりました。軍事的衝突が拡大し長期化する兆候に対応して、去る03月25日から青瓦台に非常経済状況室を設置・運営し、大統領が直接主宰する「非常経済点検会議」を昨日までに3回開催しました。
政府はエネルギー需給はもちろん、石油製品、医薬品など国民生活に必須の核心品目の需給と価格安定化のために総力を傾けています。
これまでのところ中東地域の状況がマクロ指標、すなわち我が国経済の健康状態全般に及ぼす影響は限定的であると評価されています。
まず輸出は、去る03月の輸出額が過去最高額である861億ドルを記録しました。昨年同月と比較すると実に48%増加したことが確認されています。
04月に入り、04月05日までの1日平均輸出額も昨年に比べ41%増加し、輸出増加傾向は続いています。
輸出とともに国内経済を支える核心軸である消費も堅調な流れを維持しています。
03月のクレジットカード使用金額が7%増加したのに続き、04月には二桁である13.1%上昇しました。
ただし、マクロ経済指標が好実績を記録しているものの、非常状況がすでに1カ月以上持続しており、その余波がどれほど続くか分からない危機であることは明らかです。
したがって現時点で最も緊急かつ重要な課題は、民生経済に及ぼす影響を最小化し、国民の日常生活に必須の品目の供給を安定的に管理することだと考えます。
我が経済は中東地域から導入される石油とナフサに大きく依存しています。依存度が高いだけに、石油とナフサの需給に困難があるのも事実です。
政府は先月、UAEと2,400万バレル規模の原油を他国より最優先で供給を受けることで合意しました。
実際にUAEから出発した原油とナフサがわが国の港に順次到着しています。
しかし昨年基準でホルムズ海峡を通じた導入依存度が原油は61%、ナフサは54%に達するわが経済の特性上、中東情勢が完全に解決するまで代替供給線を確保する努力が切実に必要な状況です。
私は戦略経済協力大統領特使として、産業通商部など関係部署と国内エネルギー企業とともに原油とナフサの追加確保に関する協議のため、本日夕方出国し、カザフスタン、オマーン、サウジアラビアを訪問する計画であることをお知らせします。
特に政府高位級協議が言葉だけで終わらないよう、実際に石油とナフサなどを導入する企業と緊密に協議し、タンカーや石油製品運搬船が国内港に到着するまで必要な支援を惜しまない方針です。
最近、メディアなどを通じて需給不安に対する懸念が指摘された医薬品、医療機器、医療製品などが安定的に供給されるよう、利用可能な政策手段を総動員しています。
輸液剤、包装材、注射器などを製造する企業に原料であるナフサ、プラスチック、樹脂などを優先供給し、買い占め・売り惜しみなど市場秩序を毀損する違法行為を根絶するため、買い占め防止通報センターの運営、卸売業者などに対する行政指導などを積極的に実施しています。
そのほかにも政府は尿素水、塗料、従量制ごみ袋など核心品目の需給と価格動向をリアルタイム信号灯システムで確認しています。異常兆候が確認されれば、流通段階上の問題点はないか、代替供給線は何か、迅速な需給のために可能な規制緩和案はないか、全方位的に解決策を見出し必要な措置を迅速に実施しています。
特に製品を生産または供給を受ける企業との懇談会を実施し、保管・流通現場を直接訪問して確認する努力を通じて、点検結果が実態とかけ離れた机上の空論にならないよう最善を尽くしています。
一方、ホルムズ海峡内側で待機しているわが国国籍船舶26隻については、乗船している船員の安全を最優先とするという前提のもと、船会社の立場、また国際的協力構造などを考慮しながら、安全に海峡を通過できる方案を 模索しています。
国民の皆様におかれましては、政府の努力を信じて正常な日常の経済活動を営んでいただくようお願い申し上げます。
もちろん厳しいエネルギー需給状況を勘案し、生活の中で実践できるエネルギー節約には積極的に参加していただければ、危機状況はより円滑に克服されるでしょう。
最後に、危機状況に便乗して国民に不安を引き起こすフェイクニュース、捏造情報などの流布行為は国家システムの正常な作動を妨げる重大な犯罪行為である点を改めて強調します。
違法が確認された場合には告発など厳正に措置するようにします。
2026年04月07日
青瓦台秘書室長 姜勳植(カン·フンシク)
韓国大統領府「日本よりはるかにマシな状況」
「代替供給線を確保する努力が切実に必要な状況」と認めています。
注目すべきは、エネルギー需給が逼迫する中、カザフスタン、オマーン、サウジアラビアへ大統領特使が送られるという点です。
「今から? 遅くないのか」とも見えますが、努力はしなければなりません。
面白いのは、この大統領府の公式文書には登場しない発言があったことです。
この記者懇談会について、『チャンネルA』が報じていますので、同記事から一部を以下に引きます。
(前略)
姜勳植(カン·フンシク)青瓦台秘書室長は07日、原油確保量について、「(前年比で)04月に59%が確保されており、05月は69%程度確保されている状態だ」と明らかにした。
姜室長はこの日午前、春秋館で開かれた中東情勢関連記者懇談会でこのように述べた。
彼は「(韓国の原油は)追加で継続して確保が行われているため、NHKで報道されていた(日本の原油確保量)よりもわれわれがはるかに良い状況だ」とし、「われわれは着実に対応している」と明らかにした。
また、ホルムズ海峡にある韓国国籍船舶26隻について「26隻すべてに2週間分以上の食料が準備されており、4週間分以上の燃料を確保している」とし、「毎日点検しており、下船したい人がいれば把握して外交部と現地公館がその人たちの生活圏を支援している」と述べた。
姜室長は原油などの確保のため、戦略経済協力大統領特使としてこの日出国し、カザフスタン、オマーン、サウジアラビアを訪問する計画だ。(後略)
⇒参照・引用元:『チャンネルA』「강훈식 “원유 전년比 4월 59%·5월 69% 확보…日보다 훨씬 나은 상황”」
ご注目いただきたいのは、原油の確保量です。
対前年比で、
04月:59%
05月:69%
――と明らかにしました。「具体的にどれだけあるんだよ」という記者からの質問に答えざるを得なかったのでしょうが、これは大統領府のプレスリリースにはありません。
大事なポイントですが、リリースから落としました。
また原油供給について、「日本よりわれわれがはるかにマシ」と述べている点は見逃すことはできません。
果たして本当にそうでしょうか。
この点についてはアメリカ合衆国のシンクタンク『CSIS』から興味深いリポート「The Impact of the Iran Conflict on South Korea: By the Numbers」が出ているのです。
リポートの著者はビクター・チャさんとアンディ・リムさんです。
このリポートによれば「韓国の戦略石油備蓄はほとんど救済にならない」というのが結論です。
ですから、どうしてもどこかから代替供給を得なければならないのです。
(吉田ハンチング@dcp)






