2026年05月26日、韓国の気候エネルギー環境部が面白いプレスリリースを出しました。
韓国で大問題になっている電力インフラ網の件です。

韓国では変電所や送電網など、電力インフラの建設が全然前に進みません。ボンクラ文在寅が大統領を務めた時代には、クリーンエネルギー政策を推進し、(よせばいいのに)太陽光発電施設を雨後の筍のように乱立せしめ、誇りました。
ところが、その1/3が送電網に接続されていなかったことが発覚し、韓国社会を唖然とさせました。太陽光発電施設の多くが「ただ発電している」というものだったのです。

また尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領時代には、火力発電所がやはり送電網に接続されておらず、放置されていることが分かり、こちらも韓国内を愕然とさせました。

Money1では何度もしつこくご紹介していますが、こんな情けない状況に陥るのは、「住民の反対運動」が必ず起こり、合意に至らないからです。
――で、今回の本題です。
お金をせびる地域住民の反対運動にも問題がありますが、法制度も大問題なのです。さすがの李在明(イ・ジェミョン)さんの政権も放置はできん――ということで法改正を行うことになりました。
以下が今回ご注目いただきたいプレスリリースです。以下に全文和訳します。面倒くさい方は全文読まずに次の小見出しまで飛ばしてください。
送・変電設備周辺地域支援事業
住民自治性を大幅拡大「送・変電設備周辺地域の補償および支援に関する法律施行令一部改正令案」国務会議で議決
気候エネルギー環境部(長官 金星煥(キム・ソンファン))は、「送・変電設備周辺地域の補償および支援に関する法律施行令一部改正令案」が05月26日の国務会議で議決され、06月03日から施行されると明らかにした。
今回の改正令案は、送・変電設備周辺地域で実施する個別住民支援事業の比重拡大要件の緩和を主な内容としており、支援事業対象である村の住民の自治性を大幅に拡大したことが主な特徴である。
現行制度では、送・変電設備周辺地域で支援事業を実施する場合、
△村の福祉施設設置
△住民所得増大のための「共同支援事業」と
住宅用電気料金補助など住民を直接支援する「個別住民支援事業」
を同一の比重としており、住民全体が合意した場合にのみ個別住民支援事業の比重を拡大できるようにしていた。
全体合意のみを認めていたため、たった1人でも反対すれば個別住民支援事業の比重を拡大できないという規制を改善する要求が継続的に増加していた。
今回の改正令案は、このような困難を解消し、地域住民の75%(4分の3)以上の同意があれば、個別住民支援事業の比重を拡大できるようにした。
これにより、地域住民が自主的に地域の実情に合った支援事業を推進できるようになる。
また、今回の改正令案には、村で支援事業を実施した後に発生した通常の執行残額についても、翌年度へ繰り越して使用できるようにした内容も盛り込まれた。
改正令案施行前には、天災地変、長期的な検討が必要な事業推進など、特別な事由がある場合にのみ支援金を繰り越して使用することができた。
今回の改正により、特別な事由がなくても、事業を正常に推進して残った残額についても繰り越しが可能となり、地域住民が支援事業をより自主的に実施できるようになるものと予想される。
イ・ジェシク気候エネルギー環境部電力網政策官は、「今回の施行令改正を通じて現場の困難を解消し、地域住民の自治性を拡大する方向で制度を改善した」とし、「今後も送・変電設備周辺地域住民の権益を向上させる方向で制度を発展させていく」と述べた。
別添 送・変電設備周辺地域支援事業。以上。
送電網は造らなきゃならんので法改正だ!
上掲のプレスリリースのうち、「△村の福祉施設設置 △住民所得増大のための「共同支援事業」と、住宅用電気料金補助など住民を直接支援する「個別住民支援事業」 を同一の比重としており……」の部分が分かりにくいと思われますので、まずそこから。
支援といっていますが、要するにその土地を使用させてもらいために出す(配る)お金なので、ぶっちゃけて言えば補償金です。
送・変電設備の周辺地域に対して支援金を出す際に、
❶共同支援事業
(地域に配るお金:例えば「村」)
❷個別住民支援事業
(各家庭・各住民に直接配る金)
❶❷は同一比率、要するに半々でなくてはならない―としていました。イメージとしては、
50% ⇒ 村全体向け
50% ⇒ 個人向け
という構造です。これで困るのは、1:1が決まっているので、どちらかだけ増やすなどという調整ができないことです。補償金ゴネ得――なんて話がありますが、ゴネてもまとめる術がないので、だからこそ電気インフラの整備が全然進みません。
さらに困るのは「住民の全員一致の賛成があった場合にのみ」個別住民支援事業の拡大ができる――と決まっていたことです。これでは1人でもゴネるヤツがいると進みません。
これは無理だろ!――ですから、今回やっと改正法案が決議され、地域住民の75%(4分の3)以上の同意があれば……となりました。
今まであんたらは何をやってたんだ――なのですが、これで少しは電力インフラの整備が進むかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)







