今や「のれん屋」になっているアメリカ合衆国の原発企業『ウェスティングハウス』。
Money1でも先にご紹介しましたが、韓国政府は、合衆国政府に要求されている「対米(直接)投資2,000億ドル」の一部を同社に突っ込む動きをしています。
なぜかというと、韓国製原発の輸出を簡単にするためです。

韓国が「独自技術だ」などとウソを言って誇っている「APR1400」は、韓国がゼロから独自設計した原子炉ではありません。大まかな系譜をたどれば――、
『Combustion Engineering』(略称「CE」)のSystem 80
⇒ System 80+
⇒ 韓国標準型原発 OPR1000
⇒ APR1400
――になります。
⇒ 1990年、スイス系重電大手『Asea Brown Boveri(ABB)』が『Combustion Engineering』を買収
⇒ 2000年、『ABB』が『Combustion Engineering』由来の原子力事業をイギリス国有企業『British Nuclear Fuels Limited』(略称「BNFL」)へ売却
⇒ 『BNFL』傘下ですでに原子力事業を展開していた『Westinghouse Electric Company(ウェスティングハウス)』に事業が統合される
韓国の「APR1400」の大本の知的財産権は『ウェスティングハウス』が握っており、この点が「韓国によるチェコ原発輸出」でも問題化しました。
『ウェスティングハウス』は、韓国原発が『CE』から移転されたSystem 80技術に由来する合衆国の技術を含んでいる以上、韓国側だけの判断で第三国に輸出できない、と主張。
Money1でもご紹介した非常に厳しい条件を課されました。
条件が発覚した韓国メディアは「まるで奴隷契約じゃないか」と大騒ぎしました。もう何度だっていいますが、このときに韓国産原発が「独自技術でも何でもない」ことが明らかになっています。

知的財産権がないんだから仕方ないだろ――ですが、合衆国に対米投資を要求されているのをコレ幸いと『ウェスティングハウス』にお金を突っ込んで状況を変えようとしているというわけです。
ここからが今回の本題です。韓国メディアに面白い報道が出ました。『ウェスティングハウス』がこの韓国政府による投資に難色を示している――というのです。
対米直接投資の交渉が難航しており……
『毎日経済』の記事から一部を以下に引用します。
当初18日とされていた対米投資合意文書の署名が遅れている背景に、合衆国の原子力企業『ウェスティングハウス』の反対があったことが確認された。
韓国と合衆国の両政府は、『ウェスティングハウス』の持ち分取得と原子力協力策についてある程度の共通認識を形成し、交渉を妥結しようとしていたが、『ウェスティングハウス『側が最終局面で待ったをかけたことで、日程に支障が生じたということだ。
17日、政界と原子力業界によると、米韓両国政府は当初、18日に対米投資了解覚書(MOU)へ署名する日程を目標として原子力協力策を調整してきたが、『ウェスティングハウス』との意見の隔たりが縮まらず、交渉の最終決着が遅れていることが分かった。
事情に詳しい関係者は、「両国政府が目標とした日程に合わせて交渉を終える計画だったが、『ウェスティングハウス』が反対したことで最終合意が遅れている」と伝えた。
交渉では、『ウェスティングハウス』の持ち分取得規模をめぐって双方の立場に大きな隔たりがあると伝えられている。
韓国側は最低限の経営権を確保するため、少なくとも10%を超える持ち分を要求してきた。
『ウェスティングハウス』はこれに難色を示し、韓国の持ち分比率を5%程度に制限しようとの立場だ。
10%は、現在の『ウェスティングハウス』の株主間契約において、取締役会の取締役指名権を確保できる基準点となっている。
持ち分の取得規模は、韓国が合衆国の原子力発電事業に資金を投じる一方、どの程度まで意思決定に参加できるのかという問題とも結び付いている。
合衆国内で今後進められる原発新設事業で、韓国型原発であるAPR1400を活用したり、韓国企業の参加度を最大限引き上げたりするためには、重要な経営事項についての同意権まで確保しなければならないためだ。
韓国は、まず10%台の持ち分比率を確保して経営参加の足掛かりをつくれば、その後、影響力を徐々に拡大していくことができると判断しているものとみられる。
(後略)
韓国政府側は10%を主張し、合衆国側は5%程度に制限したい――という綱引きが行われてる模様です。
この記事は結びの部分が面白いのです。以下に引いてみます。
一方、政府は17日に予定していた対米投資に関する国会への報告を、今月21日または22日に延期した。
これに伴い、18日に予定されていた米韓の対米投資了解覚書(MOU)の署名も延期された。
産業通商部は報告延期の背景について、「合衆国と緊密に協議しているが、接点を見いだすのに時間を要している」と明らかにした。
ote>李在明(イ・ジェミョン)さんの記者会見が本日18日に予定されていますが、対米投資了解覚書の締結をもってして、「対米交渉をまとめたぞ。スゴい大統領だろう?」となる予定だったのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)





