昨日の記事で「Tフォーメーション」というパターンについて触れましたが、そんなもの知らないという人も多いのではないでしょうか。ネットでTフォーメーションを検索しても、恐らくアメリカンフットボールの古典的攻撃体形についての説明が出てくるでしょう。
ここでいう「Tフォーメーション」はMACDの考案者であるジェラルド・アペルも評価している、チャート上に現れる「T字型の値動きのパターン」のことです。アペルはその著書の中で、
「Tフォーメーションは、私のお気に入りのテクニカルのパワーツールのひとつである。このツールは、長期取引にも短期取引にも適用できる。ただし通常、設定と計算に最低限の期間が必要である」
※『アペル流テクニカル売買のコツ』パンローリング社刊・原題『Technical Analysis:Power Tools for Active Investors』P.168より引用)
と述べています。Tフォーメーションがどのようなものかは、実際に見た方が早いですので上記の著作でアペル自身は紹介している図を引用します。
(上記同書P.169より引用)
「X」という時点を中心として、「A」の腕の長さと「B」の腕の長さ、つまり期間が等しくなるという仮定に基づいています。アペル自身は著作の中で、
「(前略)株式市場があるサイクルや、セグメントで費やした時間を知り、新たなサイクルやセグメントがいつ始まったか認識すれば、その新たなサイクルやセグメントいつ終わりを迎えるか予想できるのではないかと仮定してもおかしくはないということになる」
と述べています(上記同章P.168-P.169より引用)。
日本語訳が非常にヘタな本ですが、言わんとしていることは、
Tフォーメーションが確認でき、「X」「A」が判明すれば「B」の予測ができるのではないか、ということです。アペルは、このパターンの説明をする章に「Tフォーメーション――究極のサイクルパワーツールか」というタイトルを付けています。
(柏ケミカル@dcp)