「韓国にデフレが迫っている」という話は2019年からすでに識者から指摘されていたのですが、新型コロナウイルス騒動で景気が急速に悪くなったため、また改めて注目されています。
2020年05月22日、『韓国経済』に「韓銀OB『鳩』の警告…『和風デフレが目前まで来た』」という記事が出ました。
「和風」は大きなお世話ですが、以下に一部を引用します。
韓国銀行金融通貨委員会の委員を務めたチョ・ドンチョル『韓国開発研究院(KDI)』国際政策大学院教授は22日、「韓国経済が日本式デフレーション(景気低迷の中、物価下落)に向かっている」と述べた。
(中略)
韓国のGDPデフレーターが昨年第4四半期までの5四半期連続のマイナスを記録したことなどを見ると、韓国もデフレの兆候がはっきりしているという意味である。
彼は、韓国がデフレに直面しており、低成長地獄に落ちることはもちろん、国家財政も急激に悪化することを懸念した。
チョ教授は「デフレ状況に陥れば、物価が下落し、名目GDPが減少。政府が回収する国税収入も減る」とし「一緒に国家債務比率(国の債務を名目GDPで割った値)などの国家財政指標も悪くなる」と述べた。
(後略)⇒参照・引用元:『韓国経済』「『鳩』の警告…『和風デフレが目前まで来た』」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
ちなみに、このチョ・ドンチョル教授は2019年から同様の指摘を行っています。
デフレ(デフレーション)というのはインフレ(インフレーション)の逆で、物価が継続的に下がっていく現象のことです。
実際に韓国の「コア・インフレ率」※1を見ると以下のようになっています。
⇒参照・引用元:『TRADING ECOMOMICS』「韓国-コアインフレ率」
https://jp.tradingeconomics.com/south-korea/core-inflation-rate
「なんだこりゃ」というぐらい見事な右肩下がりで、つまりは物価がどんどん下がっており、チョ教授の言葉はしごくもっともな指摘であることが分かります。
ここに今回の新型コロナウイルス騒動で不景気が直撃しているので……本当に危険というわけです。
デフレにハマり込むと「みんなでビンボウになる」というイヤなサイクルからなかなか抜け出すことができません。
景気後退、恐慌といった状況に進むこともあるので、デフレはなんとしても避けたいのですが、さて韓国は大丈夫でしょうか。
※1面倒くさい方は飛ばしていただいて大丈夫ですが、コア・インフレ率とは「物価」を評価するために、変動の大きい食品やエネルギー関連を除いた指数です。
(吉田ハンチング@dcp)