アメリカ合衆国は、現在中国への圧迫を続けています。
中国企業『ファーウェイ』(華為:Huawei)に半導体の供給を行わないように手を打ちつつありますが、中国も「中国製造2025」という野心的な計画を立て、国内半導体企業を育成してきました(「中国製造2025」については以下の記事を参照いただけると幸いです)。
では中国は半導体を自給自足できるでしょうか?
不可能です。
『IC Insights』の「The McClean Report 2020」から引用したデータをご覧ください。これは中国の半導体市場の規模(金額:単位は10億ドル)と中国製半導体の規模を比較したグラフです。
2019年の段階で、中国の半導体市場は1,250億ドル(13兆4,303億円)という巨大なものですが、中国産の半導体は「195億ドル」(2兆951億円)に過ぎません。15.6%です。
また、この195億ドルのうち、中国に本社を置く企業が製造したものはわずか76億ドル(38.7%)に過ぎないと『IC Insights』では推測しています。
※ドル円換算は2020年05月22日の「1ドル=107.44円」を用いました。
2024年はあくまでも予測ですが、市場規模「2,080億ドル」(22兆3,480億円)に対して中国産「430億ドル」(4兆6,200億円)。20.7%となります。
つまり、このままいっても中国製市場を中国製半導体で賄(まかな)うのは不可能で、(乱暴ですが「純粋な中国企業製」などを考えず)仮に自給率を計算しても、自給率は「15.6%」から「20.7%」に「5.1%」ほど上がるだけなのです。
「中国製造2025」では「2025年に半導体の自給率70%を達成する」としていましたが、その目標はまさに「絵に描いた餅」になっています。
今回の合衆国の措置によってこの計画だけではなく、スマホなどの半導体を使用した製品を作ることにも支障を来すようになるでしょう。
中国の半導体製造についての詳細は、ぜひ以下の『IC Insights』のリポートを読んでみてください。
⇒参照・データ出典:『IC Insights』「2020年5月21日 中国がICデバイスの『Made-in-China 2025』目標をはるかに下回る」
(柏ケミカル@dcp)