経済が危機的状況では、資金が国外に逃げ出すものです。特に開発途上国の場合、この資金逃避が危機に拍車をかけることがあります。韓国も例外ではありません。Money1では連日韓国株式市場(KOSPI)の動きをご紹介していますが、特に外国人投資家の動向には注意が必要です。
2020年06月11日、韓国の中央銀行『韓国銀行』が「2020年5月以降、国際金融・為替市場の動向」という資料を公開しました。
その中に、「外国人証券投資資金」というデータがあります。これは、韓国の証券市場において外国人の投資がどのくらい増減したのかを示すものです。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2020年5月以降、国際金融・為替市場の動向」
http://www.bok.or.kr/portal/bbs/P0000559/view.do?nttId=10058691&menuNo=200690
そこから、2018年、2019年、2020年を比較した年次データを以下に引きます。
2018年 | 2019年 | 2020年 | |
株式 | ▲56.6億ドル | 20.0億ドル | ▲209.2億ドル |
債券 | 139.1億ドル | 81.6億ドル | 159.6億ドル |
小計(全体) | 82.5億ドル | 101.6億ドル | ▲49.5億ドル |
※2020年は01-05月の累計。▲はマイナスの意味です
2019年は101.6億ドル(約1兆855億円)の外国人による資金流入があったものが、2020年の05までで▲49.5億ドル(約5,259億円)※1の資金流出。赤字転落です。
以下は、2020年01-05月の月次データです(表組は横にスクロールできます)。
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | |
株式 | 3.7億ドル | ▲26.6億ドル | ▲110.4億ドル | ▲43.2億ドル | ▲32.7億ドル |
債券 | 40.6億ドル | 3.1億ドル | 36.6億ドル | 58.2億ドル | 21.0億ドル |
小計(全体) | 44.3億ドル | ▲23.5億ドル | ▲73.7億ドル | 15.0億ドル | ▲11.7億ドル |
上掲のとおり株式市場からの資金流出が02-05月の4カ月続いており、01-05月の累計は▲209.1億ドル(約2兆2,351億円)※1に達しています。債券市場に流れ込んだ資金はプラスですが、差し引きしてマイナス。上掲のとおり日本円で「約5,289億円」の資金減です。
06月に入って株式市場ではちらほらと外国人投資家が「買い越し」で終わる日が見られるようになりましたが、それでも金額はさほど大きくはありません。外国人投資家の動向が以降どうなるのかが楽しみです。
※1ドル円換算は2020年06月12日の「106.84円」を用いました
(柏ケミカル@dcp)