「空母機動部隊」は維持費の方が高くつく

広告
おススメ記事

日本は現在『いずも』を軽空母に改装中です。


『いずも』PHOTO(C)『日本国 海上自衛隊』

本来であれば不要にも関わらず、日本への対抗意識からか韓国も軽空母を保有するとしています。しかし、空母は、随伴艦数隻と共に「空母機動部隊」を形成して初めて役に立ちます。

この空母機動部隊を取得するのにいくらかかるのかについては先にご紹介しました。今回は、空母機動部隊は「取得するよりも維持するのにお金がかかる」という件をご紹介します。

前回同様、「防衛大学校安全保障学研究会」武田康裕先生武藤功先生の名著『コストを試算!「日米同盟解体」国を守るのにいくらかかるのか』から引用させていただきます。

まず、アメリカ合衆国海軍が保有する空母機動部隊の標準編成は以下のようになります。

空母:1隻
空母航空団:約80機
(うち戦術航空機は約60機
水上艦艇:6隻
(うち最低3隻はイージス駆逐艦・巡洋艦で対潜ヘリ10機搭載)
攻撃型潜水艦:2隻
高速戦闘支援艦(補給艦):1隻

⇒参照・引用元:『コストを試算!「日米同盟解体」国を守るのにいくらかかるのか』(武田康裕|武藤功,毎日新聞社,2012年06月30日発行)p.168

で、費用ですが、同書では合衆国会計検査院の見積もりを参照しています。その部分を以下に引用します。

米国会計検査院(GAO)は、2000年における原子力空母機動部隊の取得、運用、維持に必要な総経費を年換算し、約16億ドル(2320億円)と見積もった。

この調査から浮き彫りになった点は、第1に、空母機動部隊を保有した場合に、維持運用費(59%)のほうが取得費(41%)より大きくなること。

第2に、総経費に占める空母および艦載機(56%)の比率は、随伴艦船(44%)よりも大きいこと。

第3に、取得費に関しては艦載機が全体の54%、維持運用費では随伴艦船が50%と最大で、空母自体はそれぞれ10%22%で最小である

⇒参照:引用元:上掲同書p.169

赤アンダーライン、強調文字は筆者による。また日本円換算も同書による

というわけで、空母だけ見ると、取得費用は10%、維持経費は20%と小さいものです。しかし、空母機動部隊を形成すると費用は莫大になり、取得費用よりも維持費の方が高くつくのです。

日本も経費については注意が必要ですが、果たして韓国はきちんと計算しているのでしょうか。

「空母機動部隊」を調達するといくらかかる?
日本では『いずも』を軽空母に改装中で、なんの対抗意識か分かりませんが、いまだかつて外洋海軍を運用したことがない韓国でも「韓国版軽空母」を建造するという話になっています。しかし、「空母」というのはそれ単体では行動できません。空母を護衛するため...

(吉田ハンチング@dcp)

広告
タイトルとURLをコピーしました