韓国銀行が17日に明らかにしたところによると、25日に米連邦準備制度理事会(FRB)との通貨スワップ※1資金を活用した競争入札方式の外貨貸付79億2,000万ドルが満期を迎える。
FRBとの通貨スワップ資金を活用した最初の入札の満期だ。当時韓国銀行は7日物と84日物の2種類で貸付を実行した。7日物が超短期貸付で、貸付規模も10億ドル未満だった点を考慮すると、来週迎える貸付満期が事実上初めてとみることができる。
韓国銀行は今週までにスワップ市場などドル資金市場の状況を見守って満期延長の可否を決めるという立場だ。
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
上掲の『中央日報(日本語版)』の2020年06月18日の記事「近く韓米通貨スワップのドル資金貸付が満期…延長の可否に関心」について、「『ドル流動性スワップ』※1を利用して調達したドルを、満期日に『韓国銀行』がFED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)に返却されないかもしれない」と取ってしまい、先の「緊急速報」でお騒がせしたことを深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ありませんでした。
FED⇒『韓国銀行』と流れたドルは、競争入札で落札できた市中銀行のところに行きます。
当該記事は、市中銀行から『韓国銀行』へのドル返却について、市中銀行が「返済用のドルが調達できないような場合」には、「満期日を繰り延べするかどうか」の判断を『韓国銀行』が来週行う、ことを伝えるものでしょう。
しかし、たとえ市中銀行にドルがなくても、『韓国銀行』はFEDに利子を付けてドルを返済しなければなりません。
ドルはあるでしょうか!?
06月25日、『韓国銀行』がFEDに返済しなければならないドルは、第一次調達した「87億2,000万ドル」のうち、84日満期の「79億2,000万ドル」です。
※7日満期の「8億ドル」についてはすでに返却されており、それは『NY連邦準備銀行』の公表データによって分かっています。
『中央日報』からこのような報道が出るということは、市中銀行から『韓国銀行』へのドルの返済が「危ないかも」という懸念があるからでしょうから、来週はその辺りの動きに要注目です。
市中銀行が『韓国銀行』にドルを返済できないとすれば、それだけでも「ちょっと待てよ!」ではありますが、もし『韓国銀行』が返済用のドルを用立てられない場合には、FEDと交渉することになるでしょう。
それはそれでやはり要注目です。
⇒参照・引用元:『中央日報(日本語版)』「近く韓米通貨スワップのドル資金貸付が満期…延長の可否に関心」
※1韓国メディアは「通貨スワップ」、時に「通貨スワップ協定」と呼称しますが、紛らわしいのでMoney1ではFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)に従って「スワップライン」「ドル流動性スワップ」と記載します。本稿のタイトルだけはアンカーが韓国の表記に合せて「通貨スワップ」としています。
(柏ケミカル@dcp)