今週も返済日が来ました。定点観測の続きです。
『韓国銀行』は、アメリカ合衆国のFED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)と締結したスワップライン※1を利用してFEDから約200億ドルを調達。これを市中銀行に回して韓国をドルの枯渇から救いました。
ただし、このドル流動性スワップは、FEDがその国の中央銀行に「ドルをあげる」ための仕組みではありません。あくまでも一時的に「ドルを貸す」仕組みで、簡単にいえば借金の一種です。FEDから借りたドルは、利子を付けて返さなければなりません。
『韓国銀行』は、2020年05月08日(settlement date:決済日)を最後にドル流動性スワップを利用していませんが、それまでに借りたドルの返済を06月25日から毎週木曜日に行っています。
本日は総額「21.2億ドル」の返済。05月の黒字分を吐き出すのにほぼ相当
本日07月16日は、第4次調達分「21億1,900万ドル」のMaturity Date(満期日、返済期日)です。
「84日満期」で「年利:0.3386%」でしたので、元本「21億1,900万ドル」と利子「165万1,218ドル」※2を合わせて返済総額は「21億2,065万1,218ドル」(約2,274億8,225万6,121円)※3になります。
毎度おなじみですが、『韓国銀行』がきちんと返済したかどうかはFEDが毎週末に公開しているデータで確認できます。
滞納などすると世界的な恥になりますので、どんな手を使っても返済するでしょうが、さすがにこれだけ毎週巨額なドルを吐き出すというのは『韓国銀行』・韓国にとってもこたえるでしょう。
なにせ、本日返済しなければならない「約21.2億ドル」というのは、05月の「経常収支」の黒字「22億8,610万ドル」とほとんど同額です。いわば05月のもうけ分を借金返済でほぼ吐き出すことになりますから。
※1韓国メディアは「通貨スワップ」、時に「通貨スワップ協定」と呼称しますが、紛らわしいのでMoney1ではFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)に従って「スワップライン」「ドル流動性スワップ」と記載します。本稿のタイトルだけはアンカーが韓国の表記に合せて「通貨スワップ」としています。
※2年利を365日で割って1日分の利率を求め、84を掛けて「84日満期分」の利率を計算。これに21億1,900万ドルを掛けて利息額を計算。
※3ドル円換算は2020年07月15日の「1ドル=107.27円」を使用しました。
(柏ケミカル@dcp)