瀕死のと何回書いたか分からない韓国航空産業の二番手『アシアナ航空』ですが、債権団管理の下、なんとか持っています。で、今度は裁判沙汰です。
何度もご紹介しましたが『アシアナ航空』が事実上のドボンになったのは、『HDC現代産業開発』がなんだかんだいって買収を取り止めたからです。で、その契約では「2兆5,000億ウォン」で買収するということになっていたのですが、この10%「2,500億ウォン」がエスクロー口座に入っているのです。これはいわば契約金です。
つまり、買収しますよ、その証拠ですよという意味のお金です。で、本当に買収の際には残りの90%を支払う、となります。エスクロー口座というのは、契約締結時にこのようなお金を入れておくためのものです。契約が履行されたらお互いに合意してお金が動くことになります。
つまり、銀行が安全のために保管しておいてくれるわけです。契約金として相手の口座に支払ったらドロンしやがった、みたいなことを防ぐためです。
2020年頭から、買収に名乗りを上げた『HDC現代産業開発』の方は、契約金なんか別に違約金として取られたっていいんだ、オレはいつだって買収をやめてやるぜ、みたいな態度を取り続けていました。その挙げ句に「買収はなし」となったのです(『アシアナ航空』を売りたがっていた『錦湖産業』が業を煮やした)。
で、この「2,500億ウォン」です。
『アシアナ航空』としては運転資金としてスグにでも使いたいわけです。債権団も同じです。なにせ債権団の主力となっている『産業銀行』も『輸出入銀行』も底なし沼にはまったようなもので、ここまですでに「3兆3,000億ウォン」も突っ込んでいます。
それでもまだ足りなくて、先にご紹介しましたが、2020年10月11日には「残高:1,000億ウォン」しかない、という報道が出ました。
どんだけお金がないんだという話ですが、それだけ困ってるわけです。
ところが、2,500億ウォンの移動に『HDC現代産業開発』が同意しないのです。
で、裁判です。「違約金なんか惜しくないぜ」とイキがっていたあの態度はなんだったんだという、世にもあほらしい話となりました。
(吉田ハンチング@dcp)