韓国の航空産業の話です。先にご紹介した『済州航空』のように、とにかくLCC(格安航空会社)はどこを取っても大変に苦しいわけです。
では、LCCではない航空会社はどうなのか、という話です。
といっても韓国ではLCC以外の航空会社は『アシアナ航空』と『大韓航空』だけです。この両社は合併することが決まっており、(どっちもどっちですが)先に事実上の破綻に追い込まれたのは『アシアナ航空』です。
コロナ禍で赤字の泥沼に入り、どうするんだこれ状態に陥ったのですが、まあ合併が決まったことで一応の先行きは決まったわけです。
現在は合併して新しい一つの会社になるというルートをたどっているのですが……。
2021年08月13日、『大韓航空』の2021年第2四半期までの業績が出ましたのでご紹介します。
↑『Chrome』の自動翻訳なので日本語がヘンですがご寛恕ください。2021年06月末時点(上半期)業績
総売上:3兆8,050億5,600万ウォン(約3,576.8億円)
営業利益:2,951億3,700万ウォン(約277.4億円)
当期純利益:607億4,300万ウォン(約57.1億円)⇒データ引用元:『韓国金融監督院DART』公式サイト
2021年06月時点では黒字転換を達成しています。2019年、2020年の泥沼の赤字と比較すると以下のようになります。
『大韓航空』の当期純利益
2019年:-6,227億3,700万ウォン(約-585.4億円)
2020年:-2,300億1,900万ウォン(約-216.2円)
2021年2Q:607億4,300万ウォン(約57.1億円)
※データ出典は同上
2020年に赤字幅を縮小できたのは、国際線を持つ強みを生かして貨物輸送に力を注いだことにあります。その努力が2021年に赤黒反転を可能にしたのです(もちろん他の努力もあり)。
以下の売上現況をご覧ください。
※データ出典は同上
航空輸送の中の「貨物輸送」の売上が全体の「77.4%」と最大となっています。貨物輸送の占める割合は、
2019年:21.3%
2020年:57.4%
2021年:77.4%
コロナ禍で人の移動が制限される中、それなら!と貨物輸送をどんどん増やした結果、なんとか黒字転換を果たしたわけです。仕事を取ってきた営業マンも立派ですが、飛行機の座席を取ってカーゴスペースに改装、ニーズに応えた会社の姿勢も見事です。
というわけで、『大韓航空』の現状は「だんだん貨物屋になってきたぞ」なのです。しかし、こういうふうに環境に対応した種が次世代に生き残るのですから、同社の努力はもっと高く評価されるべきでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)