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【珍景】韓国「貿易のもうけ」が2020年より少なくなるかも

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韓国メディアでは輸出が絶好調という話になっており、2021年には輸出金額で過去最高を記録するかもという景気のいい予測も出ていました。

しかし、たとえ輸出が絶好調でも国としてのもうけ、すなわち輸出から輸入を引いた貿易収支は2020年よりも少なくなるかもしれません。

改めていうまでもないことですが、韓国は貿易収支が十分に大きくないと国がもちません。資金流出の方が大きくなって経常収支が赤字になるからです。

日本のように海外へ投資した「上がり」が莫大で、貿易収支が赤字でも国は黒字といったことがないからです。

まず、韓国が喜んでいる輸出が大幅に増加しているという件を確認してみます。国際収支統計が公表されている直近の08月までの輸出金額を見ると、以下のように推移しています。

確かに、オレンジの2021年のラインは常に青の2020年のラインよりも上にあり、特に03月の544億ドルからここまで連続で500億ドルを超えており、好況です。

では、貿易のもうけを示す「貿易収支」(輸出 – 輸入)はどうなっているでしょうか。以下です。

輸出金額のように常にオレンジのラインが上にあるということにはなっていません。特にご注目いただきたいのは、直近の07、08月2カ月連続で2021年の方が貿易収支が少ないことです。

これは、(輸出よりも)輸入が大幅に増えて貿易収支(貿易のもうけ)が少なくなったためです。

ここまでの貿易収支の推移を見てみると以下のようになります。

2020年2021年
01月20.757.3
02月66.059.7
03月69.679.2
04月7.045.6
05月26.163.7
06月61.876.2
07月70.157.3
08月70.856.4
小計392.3495.4

2020年01~08月の累計貿易収支は「392.3億ドル」。2021年01~08月は「495.4億ドル」です。

差は「103.1億ドル」で、まだ2021年の方が上回っています。

しかし、残り09~12月でこれが逆転される可能性があります。というのは、2020年の貿易収支が09~12月は以下のように非常に大きな金額だったからです。

09月:121億ドル
10月:102億ドル
11月:100億ドル
12月:105億ドル
小計:427億ドル

4カ月で「427億ドル」も黒字だったのです。

現在のトレンドからいえば、2021年の貿易収支は上掲の数字を抜くことは難しいでしょう。どの程度下になるかにもよりますが、もし2021年の貿易収支が2020年を下回れば、2021年は、輸出が回復して絶好調といっていたのに、

貿易のもうけはコロナ禍で景気の底だった昨年より少なくなった

という世にも不思議な年になるのです。

(柏ケミカル@dcp)

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