いや、上ブレしたので良かったですが、いくらなんでもブレ過ぎです。
なんの話かというと、韓国の2021年の国税収入です。予算を立てたときよりも「60兆ウォン」増えたと推計できるのです。
まず、2021年01~11月の実際の国税収入と予算は以下のとおりです。
2021年01~11月:323兆4,000億ウォン
2021年予算作成時
国税収入:282兆7,000億ウォン
差(実績 – 予算):+40兆7,000億ウォン
予算作成時の見込みよりも「40兆7,000億ウォン」(約3兆9,072億円)も増えています。
で、2021年12月には「17兆7,000億ウォン」が上振れしたという企画財政部自身の公表がありましたので、合わせて「58兆4,000億ウォン」も増加しました。
予算比で「20.1%」も増加していますので、さすがに韓国政界で「いくらなんでもブレすぎだろう。どんな計算をしてるんだ」という批判が起こっています。
なぜこれほどブレたのかですが、韓国メディア『毎日経済』の取材によると、これまでの税収推計モデルが当てにならなくなったため、とのこと。
つまり、所得税・法人税という税収の根幹部分とされてきたところにだけに重きを置いて税収を推計すると外れてしまうというのです。お金じゃぶじゃぶ状態で膨らませてきた資産、不動産・株式などの取り引きに関わる税収にも重きを置いて推計しなければならなくなった――とのこと。
同紙の記事によれば、新たな推計モデルができあがったわけではないので、これからも税収見込みはずれるかもしれないとのこと。
で、大きく上ブレしたので、早速「これを使ってお金をまこう」という話が出ております。企画財政部の洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官は「14兆ウォン」規模の補正予算を組む方向で動いています。
ちなみにここでお金をまくと、『韓国銀行』が金融緊縮方向に向かっているのに、それに逆行する動きになります。
次期大統領選挙直前なので、政府与党の支持を上げることにしか興味がないのかもしれませんが、どうにも韓国政府のやっていることは「その場凌ぎ」というか、行き当たりばったりになっています。
(吉田ハンチング@dcp)