韓国では、2022年05月10日に尹錫悦(ユン・ソギョル)さんが新大統領として就任します。現在の文在寅大統領の任期はその前日、05月09日までです。
尹大統領は原発推進派!
「脱原発」を公約に掲げ、クリーンエネルギー政策を推進。「2050カーボンニュートラル」を宣言した揚げ句、現実味のないロードマップを官民に強いてきた文在寅がやっと退任です。
Money1でもご紹介したとおり、尹さんは選挙戦の中でも「原発を推進する」旨を表明してきました。
文政権によって棚上げされた「新ハヌル原発3・4号機」の建設再開はもちろんのこと、2030年までに順次停止(閉鎖)とされた10基の原発の再整備を行うつもりです。
また、尹さんは「(2009年のUAE以降に原発輸出がないので)2030年までに後続の原発輸出10基を達成し、質の高い雇用10万個を作る」と述べています。
国内では「あんなもんは危ない。安くもないし」とうそぶいて脱原発だったくせに、海外には売り込むという、サイコパスとしか思えないような二面性を発揮した文大統領よりはマシですが、安全性には十分気を付けていただきたいものです。
日本のスグ斜め上にある国なので、信頼性の低いものを建設されては困ります。
「原発推進だ!」で東学アリが動く
尹さんの「原発推進」の姿勢を想定してのことですが、大統領選挙の翌日、2022年03月11日、韓国株式市場では面白い動きが見られました。
韓国の個人投資家の皆さんが、原発テーマ株を買いに走ったのです。
東芝から盗まれた外付けHDDが渡ったとされる、あの『斗山重工業』の株式を個人投資家は1,058億ウォン買っています。
Money1では何度もご紹介していますが、『斗山重工業』は原発産業の一角を担う、韓国にとっては非常に重要な企業です。しかし、文大統領が脱原発を推進。建設が決まっていた新ハヌル3・4号機を中止など無茶な決定をしたため、売上が激減。
『斗山重工業』の経営は傾き、2020年には国策銀行『産業銀行』の支援を仰がねばならないようになりました。こいういうのを人災というのでしょう。幸いなことに、『斗山重工業』の経営は立ち直り、国の支援から外れるところまできました。
尹さんが公約を守るのであれば、『斗山重工業』の業績は伸びるでしょう。個人投資家はそれを期待して株式を購入したのです。
以下をご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用/日足)。
投票日翌日の03月10日、『斗山重工業』の株価は大きく上げてからの陰線。11日には長い陽線となりました。尹さん効果が効いたようです。
それにしても変わり身が早いです。韓国は5年ごとに政策が一変する――を地で行くような動きです。
(吉田ハンチング@dcp)