世界を股に掛ける高利貸し『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)から、「さすがアメリカ合衆国財務省の支店」という発言が出ました。
自由主義陣営国は、不法なウクライナ侵攻を行ったロシアに経済制裁を行っています。これに対してロシアは「対外債務はルーブルで支払う」「天然ガスの輸出代金はルーブルで支払ってもらう」などのトンチを繰り出して防戦に努めています。
Hot Warであるのみならず、これはもう通貨戦争です。
日本もすでに戦争に参加しています。ロシアの資産凍結を行っているわけですから、鉄砲を使っていないだけで参戦しているのに変わりありません。
経済制裁に対抗するロシアの動きについて、『IMF』のGita Gopinath(ギータ・ゴピナート)筆頭委副専務理事は興味深い発言を行っています。
『Finacial Times』の記事から以下に一部を引用します。
『IMF』の筆頭副専務理事であるギータ・ゴピナートは、中央銀行の制限を含む、ロシアの侵略に対して西側諸国によって課された抜本的な措置は、特定の国家グループ間の貿易に基づく小さな通貨ブロックの出現に寄与する可能性があると述べた。
「ドルはそのような状況でも主要な世界通貨であり続けるだろうが、より小さなレベルでの断片化は確かに可能である」と彼女はフィナンシャルタイムズとのインタビューで述べた。
「一部の国で、貿易の支払いを受ける通貨を再交渉しているという現象がすでに現れています」。
(後略)⇒参照・引用元:『Finacial Times』「Russia sanctions threaten to erode dominance of US dollar, says IMF」
つまり、ロシアがルーブルによる支払いを強要することで、決済に使用される通貨に変化を起こすと指摘しています。このロシアの動きはドル・ユーロなど自由主義陣営国の通貨支配から逃れようとすることを目指しており、小規模な通貨ブロックが生じさせるのではないか、というわけです。
ゴピナートさんのおっしゃるとおり、すでにその動きは始まっています。
ロシアは中国と交渉していますし、ロシアからエネルギー資源を購入しないかと持ちかけられたインドも話にノる可能性があります。また、中国がノると、中国の影響力を強く受けているアフリカの諸国が参加する可能性が高まります。
皮肉なことに、ロシアを締め上げるために実行されている経済制裁がドル支配を弱める結果になるというわけです。Hot Warの行方と共に通貨戦争がどのような流れになるのかは注視する必要があります。
(吉田ハンチング@dcp)