波乱予想のG20

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来る11月30日からアルゼンチンのブエノスアイレスでG20※が開催されます。

■貿易戦争は緩和される!? されないし、より深刻な事態になる可能性も高い

注目されているのは、まず貿易戦争まっただ中のアメリカ合衆国と中国の対決です。会談がもたれて貿易戦争は緩和されるといった見方もありますが、合衆国の主張は決して揺らいでおらず、むしろ対立がより鮮明になるかもしれません。中国が合衆国の思惑どおり譲歩し、譲歩を「実行してみせなければ」会談を何度開いても無駄でしょう。合衆国だけではなく、EUからも「実行が伴わない話はもう結構だ」という旨の声明が出されているのは報道のとおりです。

■石油関連の三者会合にも注目!

さらに、合衆国サウジアラビアロシアの会合にも要注目です。世界の主要な産油国ですが、合衆国のトランプ大統領が「原油の価格を下げるべき」とtweetで主張し続けているように、この3カ国で原油生産・価格について議論されると目されています。今や合衆国はロシアを抜いて世界一の産油国となりつつありますが、(中東から供給される)安い原油がないと国が成り立たないのは昔と変わりません。

G20のメンバーにサウジアラビアが入っているのは、Money1でもお伝えしてきたとおり、欧米諸国から「アラブ世界で唯一話のできる国だ」と見られてきたからです。しかし、カショギさんの殺害事件でその威信は大きく揺らいでいます。

サウジラアビアからすると、この事件で欧米諸国からつるし上げをくっている状況ですのでトランプ大統領のごり押しをむげに断ることができません。ロシアもアメリカと融和的に接するしか国を保つ方法はありません。かつてのソ連と違い、共産主義国の盟主などではなく、資源輸出一本で食べている国ですからね。

G20はもろもろの問題をより先鋭化させる機会になるかもしれません。

※G20は「Group of Twenty」の略。G7(主要7か国財務相・中央銀行総裁会議のことで、メンバーはアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)に、

・アルゼンチン
・オーストラリア
・ブラジル
・中国
・インド
・インドネシア
・韓国
・メキシコ
・ロシア
・サウジアラビア
・南アフリカ共和国
・トルコ
・欧州連合/欧州中央銀行

を加えた20か国・地域を指します。

(柏ケミカル@dcp)

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