11月25日に急遽開催されたEU首脳会議で、イギリスのEU離脱案が正式に承認されました。これでボールはイギリスに渡りました。イギリス議会でこのプランが承認されれば、やっとのことでイギリスのEU離脱が前進しますが……。
メイ首相は「イギリスは振り出しに戻り、さらなる分断と不透明感やそれに伴うリスクが待ち受けることになる」と下院に対して警告を発すると見られており、各議員の対応がどうなるのか票読みが始まっています。与党の保守党は314人(下院の定数は650人)ですが、閣僚の相次ぐ辞任からも明らかなように「EU離脱強硬派」が党内にもいるので、過半数の票を集めるのは困難と見られているのです。
EUと合意に至ったこのプランをイギリス議会が否決すると「合意なき離脱」になります。イギリスがどんなプランを提出してもEUは難色を示すでしょう。またメイ首相が辞任することも考えられます。メイ首相からすれば「アホらしくてやってらんない」「じゃあお前が交渉してみろや」というところでしょう。
最悪なのは、イギリスの政局もグズグズになって合意なき離脱になってしまうことです。イギリスの政治家の誰もがEU離脱に責任を持ちたがらず、EUも「知るかバカ」という態度になったら欧州の地盤沈下が進むことになりますね。
(柏ケミカル@dcp)