G20※での合衆国・中国の対決、トランプ大統領VS習近平国家首席に注目が集まっていますが、互いの中枢部での話し合いはうまくいっていないようで、「トランプ大統領は中国への制裁関税をさらに課す構え」との報道がすでに流れています。
中国による「知的財産権の侵害」「外部へ資金を流出させない姿勢」「為替操作」という根本的な問題が対立項ですので、中国がそれらを実際に変更しない限り、合衆国の強硬姿勢は変わりません。つまり、ちょっとやそっとで対立が和らぐわけはないのです。ですからG20での会合によって貿易戦争が緩和されるという考え方は間違っています。
この対立が「トランプ政権だから起きたもの」とする考え方も間違っています。中国が推し進める政策が根本の部分で西側先進国の自由主義とは合わないのです。(共産党独裁国家だから当然ではあるのですが)これまでは「中国も資本主義的な国となり、徐々に変化するだろう」と甘く見ていたのですが、それは間違っていました。
中国は西側先進国の甘い見方につけこんで、古びた帝国主義的な拡張を続けています。どこかで誰かがこれを止めなければなりません。トランプ大統領はその歴史的な使命を背負っているともいえるのです。
「俺たちの麻生太郎」こと麻生閣下は、11月27日の閣議後会見でペンス副大統領の講演に触れ、「米国の中国に対する態度をトランプ大統領の思いつきと捉える人がいるが、違う」と述べています。ペンス副大統領がハドソン研究所で行った講演は、後代に「新冷戦の開幕宣言」とされるものになるかもしれません。私たちは、すでに合衆国・中国対立の「New Cold War」を生きているのです。
※G20は「Group of Twenty」の略。G7(主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議のことで、メンバーはアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)に、
・アルゼンチン
・オーストラリア
・ブラジル
・中国
・インド
・インドネシア
・韓国
・メキシコ
・ロシア
・サウジアラビア
・南アフリカ共和国
・トルコ
・欧州連合/欧州中央銀行
を加えた20か国・地域を指します。
(柏ケミカル@dcp)