「コリアディスカウント」という言葉をご存じでしょうか。特に投資の世界でよく用いられます。
韓国にグローバルで活躍する業績のいい企業があったとしても「韓国の企業だから」と割り引いて評価されてしまう――という現象を指しており、韓国ではこれを大変に残念なこととしています。
韓国が『MSCI』指数で先進国に分類されようと必死になっているのも、このコリアディスカウントをなんとか解消したいという願望が影響しています。
Money1でも先にご紹介しましたが、大統領選挙の折に『共に民主党』の統一候補であった李在明(イ・ジェミョン)さんが「韓国の株式市場はその実力に反して低く扱われるという『コリアディスカウント』があり、KOSPIが5,000に達するのはさほど難しいことではない」旨の発言をしています。
李在明(イ・ジェミョン)さんの言葉が正しいかどうかはともかく、Money1でも連日お伝えしているとおりKOSPIはここのところ低迷を続けています。
『韓国取引所』と『大韓証券』によると、韓国KOSPIはPER(Price Earnings Ratio:株価収益率)やPBR(Price Book-Value Ratio:株価純資産倍率)が、先進国市場どころか、新興国市場の平均にも及ばないことが分かりました。
「PER」や「PBR」の詳細については、本記事末に記載した別記事を見ていただきたいのですが、簡単にいえば「割安株」を見分けるときに使うINDEX(指標)です。
本件を報じた『朝鮮日報』の記事から数字を抜き出してみると以下のようになります。
まず「PER」です。
(前略)
02日基準のKOSPI全体のPERは「11.1倍」、KOSPI200のPERは「9.8倍」で、それぞれ1年前に比べ半分になった。(中略)
米国の株式市場PERは21.8倍、MSCI(モーガンスタンレーキャピタルインターナショナル)先進国指数に属する23カ国の平均PERは18.4倍水準だ。
MSCI新興24カ国平均も12.3倍で韓国よりはるかに高い。
台湾・中国はもちろん、チリ・ペルー・南アフリカ・フィリピンなど証券市場規模がはるかに小さい国のPERも韓国より高い。
昨年だけでも韓国PER(24.1倍)は新興国平均(21.5倍)より高かった。
中国(19.4倍)やブラジル(18.9倍)、台湾(23倍)よりも値段が評価されたが、最近になって再び深刻な「コリアディスカウント」局面に入ったのだ。
(後略)
次に「PBR」についてです。
(前略)
もう一つの投資指標であるPBRの場合、韓国は1.0倍で時価総額が帳簿上純資産価値と同じ水準にとどまった。新興国平均PBRは1.6倍、先進国は2.8倍水準だ。実績が良く上場会社が持つ資本が増えたが、株価は逆走した結果だ。
(後略)
というわけで韓国株式市場のKOSPIの株価は低迷しており、その低迷ぶりは先進国水準どころか、新興国平均にも及ばないということが指標から分かるのです。
コリアディスカウントだー!となっていますが、しかし、これも市場評価の一つに他なりません。割安になっても買い手がつかないことが問題なのです。
「韓国だから」という理由の中には、韓国文在寅がこれまで行ってきた企業への締め付け、企業のTopが逮捕される、出国禁止になるなどの「国の環境」が含まれています。いわば自業自得ともいえるのです。
ですから、コリアディスカウントを解消したければ、先進国並みの法治国家として投資家から認められることが何より大事なのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)