株式の売買で利益を得るためには「安く買って高く売ること」が求められますが、そのためには「割安な株式銘柄」を見つけなければなりません。このスクリーニング作業に役立つ指標を紹介します。今回はPER(パー)です。
■「PER」の値が低ければ割安と判断できる
株価は現時点で想定されているあらゆる予測も盛り込んで変動しています。しかし、その価格が適正なのか、どうかはどのように判断すれば良いのでしょうか?
例えば、
A. 一株当たりの利益が100円で価格が一株3,000円の銘柄
B. 一株当たりの利益が500円で価格が一株5,000円の銘柄
は、どちらが価値があるのでしょうか?
「PER」はこのようなときに役立ちます。
※PERはprice earnings ratioの略です。
その銘柄の利益1円が、株価でいくらになっているかを求めてみるのです。つまり計算式は、
PER(株価収益率) = 株価 ÷ 一株当たりの当期純利益
です。上記の例ですと、
A. 3,000円 ÷ 100円 = 30
B. 5,000円 ÷ 500円 = 10
です。つまり、利益1円に対してAの株価は30倍、Bの株価は10倍となっているわけです。同じ1円の利益に対して、30倍と10倍の比較ですから、B銘柄の方が収益性が良く、すなわち「割安」ということになります。
もっと分かりやすくいえば、Aの株式は一株当たり30円に対しての1円の利益、Bの株式は一株当たり10円に対して1円の利益を生んでいます。Bの株式の方が利益に対して効率がいいですね。このようにPER「株価収益率」は、その名のとおり「株式の収益率」を表しているというわけです。
すなわち、PERの数字が小さいほど「割安株」ということになります。
さらに上記の式は、
PER(株価収益率) = 時価総額 ÷ 当期純利益
と置き換えることもできます。なぜなら、
●時価総額 = 一株当たりの株価 × 発行済総株式数
●一株当たりの当期純利益 = 当期純利益 ÷ 発行済総株式数
だからです。なので、その企業の決算表を見れば誰でもPERを計算することができます。一株当たりで計算するか、発行済株式総数で計算するかの違いだけです。
PER(株価収益率) = 株価 ÷ 一株当たりの当期純利益
で計算されますので、株価が上がれば(分子が大きくなるので)PERも上がり、株価が下がれば(分子が小さくなるので)PERも下がります。
当然ですが、当期純利益が上がれば(分母が大きくなるので)PERは下がり、当期純利益が下がれば(分母が小さくなるので)PERは下がることになります。
業種によってPERは大きく変動しますが(業種によって収益率が大きく異なるため)、一般的にPERは「20」ぐらいが目安といわれます。これより値が小さいと「割安株」と目されるのです。
(高橋モータース@dcp)