念のために冒頭に書きますが、筆者が言っているのではありません。韓国メディア『朝鮮日報』のコラム記事の書き手の言葉です。
2022年06月28日、韓国メディア『朝鮮日報』に興味深い記事が出ました。
韓国の高名な音楽家であるユ・ヒヨルさんが発売する予定だった新しいアルバムの収録曲と、坂本龍一さんの「aqua」が非常に似通っており、「盗作ではないか」という疑惑がもちあがりました。
日本メディアでも取り上げられたので、読者の皆さんも多くの方がご存知でしょう。坂本さんがユ・ヒヨルさんにメールを送ったことで一応決着をみたのですが、ユ・ヒヨルさんの楽曲で他にも玉置浩二さんの楽曲にそっくりなものが見つかるなど、盗作問題は本当に決着したのか――もやもやした状態です。
『朝鮮日報』の同記事では本件から書き起こし、韓国は日本の文物を模倣してきたと指摘しています。また、その模倣してきたことを認めないという態度が問題である、という至極真っ当な主張をしています。
同記事から一部を引用してみます。
まず、韓国が日本の文化を剽窃、あるいか真似てきたという事実の指摘です。
(前略)
日本の歌を盗作した、あるいは日本の歌に「影響を受けた」とされる、私たちに馴染みのあるいろいろな「思い出の歌謡」をまとめた動画が今でもYouTubeにアップロードされている。わずか数年、数カ月前に誇らしいKポップが世界を占領するという世界観の中に住んでいた20代以下の若い世代が特に大きな衝撃を受けているようだ。
しかし、日本の影響はそれだけではない。「XX깡」、「XXチップ」など、子供時代の思い出が詰まったいろいろなお菓子。
その多くは日本のお菓子と同じ、または類似の製品である。
漫画映画の主題歌はどうだろう。
国家代表サッカーチームを応援する際、赤い悪魔が『マジンガーZ』の主題歌を歌うと、反対側にあった日本チーム応援団ウルトラニホン側が「なぜ韓国人は日本の歌を歌うのか」と疑ったという逸話が残るほどだ。
大韓民国の幼年期。私たちは経済成長の軌道に乗っていた。
子供たちがお小遣いを握りしめた時代。購買力のある児童消費者が登場した。
その需要に追いつく最も簡単な方法は、私たちより先に高度成長の道を歩いていた日本を「参考」することだった。
『新日本製鉄』と『日本鋼管』の技術提携を通じて建てられた『浦項製鉄』がよく知られているが、これは事実上ほぼ全ての分野に該当することだった。
(後略)⇒参照・引用元:『朝鮮日報』
サッカーの試合で、韓国の応援団が『マジンガーZ』の主題歌を歌うのを聞いた日本の応援団が訝しんだという、現在では信じられないようなエピソードを紹介しています。
今では多くの日本人も知っているとおり、韓国のお菓子やアニメは現在のコンプライアンスではとうてい許容できないような「著作権侵害」に満ちていました(現在でも一部でそのようなことがあります)。
同記事は以下のように続けています。
(前略)
問題は日本に向けた二重的態度だ。韓国が日本の大衆文化を公式に開放し始めたのは1998年のこと。
それまで韓国は皆がすべての分野で日本を模倣するが、誰もその事実を公式に認めない国だった。
むしろ反共主義と同じくらい荒くて薄暗い反日主義が社会全体を巻き込んでいた。
哲学者スラヴォイ・ジジェクの用語を借りると、日本の文化を享受しながらもその事実を意識的・無意識的に否定する、「わいせつ(obscene)」状態に置かれていたのだ。
(後略)⇒参照・引用元:『朝鮮日報』
「文化は高いところから低いところへ流れる」といわれます。この言葉が正しいのであれば、韓国へ日本文化が流入し、韓国がそれを剽窃、あるいは真似たのであれば、それは日本の文化を高いとしたことになります。
同記事が指摘しているとおり、問題は「事実を認めない」という韓国の態度です。それが「obscene」という言葉で言い表せているかどうか、これは分かりませんが、しかしとても褒められたものではありません。
同記事の結びは以下のようになっています。
「日本の植民支配を受けたということ、解放後も日本を『習作』してきたというのは、誇らしいことではないが無理に否定することもできない私たちの歴史だ。真の『創作』は、そのような過去を認める時に初めて可能になるだろう」
⇒参照・引用元:『朝鮮日報』
「習作してきた」というレベルで済んでいるのかどうかは疑問ですし、それがいまだに続いているというのも大問題です。さらには、著作権侵害と指摘された際にしばしば「居直る」というのも問題ではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)