2022年08月19日、韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)政権がいかに文在寅前政権を追いかけているのかを示す動きがありました。
ソウル中央地検公共捜査第3部は、19日午前中、歴代政権の記録を保管する大統領記録館に捜査に入りました。
そもそも大統領記録館に捜査が入るというのは異例です。
これまで行われた例がないわけではありませんが(文在寅政権までで7件ある)、大統領記録館に保管された文書は15年間は閲覧できない決まりなのです(私生活に関わる文書は30年間閲覧不可)。
この決まりを破って捜査を行うには、2つ方法があります。
①国会において2/3の賛成を得る
②管轄裁判所の高等法務官から令状を得る
与党『国民の力』は国会で少数ですから①は無理です。そのため、検察側は②の方をとりました。
驚くべきことに、午後には大田地検の刑事第4部も大統領記録館に捜査に入ったのです。
1日に2回も大統領記録館が捜査されるというのは異常という他ありません。
ターゲットは文在寅!
追っている事件は、
①月城原発1号機の経済性について歪曲して判断を行った事案
(大田地検刑事第4部)
②脱北漁民を北朝鮮に強制的に送り返した事案
(ソウル中央地検公共捜査第3部)
です。
①については、すでに国家情報院が、
徐薫(ソ・フン)元国家安保室長
金錬鉄(キム・ヨンチョル)元統一部長官
を検察に提訴しています。
②については、
白雲揆(ペク・ウンギュ)元産業通商資源部長官
鄭載勲(チョン・ジェフン)韓国水力原子力社長
他が職権乱用の疑いなどで大田地方裁判所で裁判を受けています。
先にMoney1でもご紹介しましたが、両事案とも「誰が」その決定を行ったかが焦点です。共に大統領府が関与し、指示を出したことが疑われます。
大統領府から指示が飛んでいたなら、当然「文在寅大統領」その人から指示があったとも考えられます。
両事案共に芋づる式に文在寅前大統領にまでたぐれるかもしれない案件です。
検察は1日に2チームを別々に大統領記録館に送ったのですが、背後には大統領府、また大統領の指示があったことを示す文書を確認しようとしたのではないかと推測できるのです。
検察の包囲の輪は徐々に狭まっており、上掲のとおり文在寅さんの側近を務めた人物が次々と検察捜査の対象となっています。
大統領記録館への捜査令状が発行されたという1点を取っても本丸が誰なのか、どこなのかは明らかです。
検察の執拗な捜査が奏功して文在寅前大統領まで届くのかにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)