韓国の金融委員会が期限ギリギリにまた日和りました。
2022年09月26日、金融委員会は、2020年04月に施行されここまで延長を繰り返し、いよいよ来る09月30日に終了させると腹をくくったはずの「融資の満期延長、元利償還の猶予」措置の再延長を決めました。
徳政令の準備までしていたくせに、また日和ったのです。
以下がプレスリリースです。
□政府および金融圏は09月末終了予定の全金融圏満期延長・償還猶予措置を利用している借り主に最大3年間の満期延長、最大1年間の償還猶予を追加で支援することにしました。
*関係省庁(金融委・中基部・企財部)および金融監督院、金融圏共同の「満期延長・償還猶予連着陸協議体」(’22.7.~9.)議論の結果
□自営業者・中小企業が十分な余裕期間を持って、正常営業回復に専念して償還能力を回復できるようにすると共に、
ㅇ自ら回復が難しいと判断する借り主は、「新出発基金」と「中小企業債務調整」を選択できるようにすることで、自営業者・中小企業を厚く保護します。
□今回の追加支援期間中、自営業者・中小企業が金融圏と協議し、借主別の特性に合わせて正常償還計画を設けることにより、
ㅇ金融圏の健全性管理の懸念を緩和し、借り主と金融圏の両方が連着陸できるようにします。
(後略)⇒参照・引用元:『韓国 金融委員会』公式サイト「満期延長・償還猶予措置延長および連着陸支援案 – 満期延長・償還猶予利用 自営業者・中小企業に最大3年間の満期延長、最大1年間の返済猶予を支援します」
融資の満期延長を最大3年、元利返済猶予を最大1年延長と決めました。
これは、07月から稼働していた「満期延長・償還猶予連着陸協議体」での結論を受けてのこととしています。
組織名に「軟着陸」と付いているのが泣かせますが、貸し手の金融機関は不良債権の津波を恐れ、政府金融当局は津波による、金融機関の不健全化、併せて家計負債爆弾に点火するのを恐れたのです。
このプレスリリースで注目は、「融資の満期延長、元利償還の猶予」というダムにたまったお金の量がアップデートされていることです。
ㅇ’22.6月末現在141兆ウォン、57万人の借り主が措置を利用中。
*支援総額:満期延長345.7兆ウォン、元金猶予16.4兆ウォン、利子猶予2,846億ウォン
残余債権:満期延長124.7兆ウォン、元金猶予12.1兆ウォン、利子猶予4.6兆ウォン⇒参照・引用元:『韓国 金融委員会』公式サイト「満期延長・償還猶予措置延長および連着陸支援案 – 満期延長・償還猶予利用 自営業者・中小企業に最大3年間の満期延長、最大1年間の返済猶予を支援します」
2022年06月末時点で「141兆ウォン」が延長・猶予されてダムにたまっています。
2022年01月末時点では「133.4兆ウォン」でしたから、5カ月で「7.6兆ウォン」(約7,600億円)も増えたことになります。
5カ月でダムにたまった水はまた深さを増しました。
日和ったとしましたが、韓国経済に暗雲が垂れ込めているので、この先送りはやむを得ないかもしれません。もし、ここで放流すると取り返しのつかないことになるかもしれないからです。
ただ、だからといって徳政令を止める気はないようです。上掲のとおりプレスリリースには、例の「新出発基金」や「債務調整」を利用してくださいね――と書いていますので。
この3年・1年延期はいい判断かもしれません。今、自ら破断界に突き進むよりは先送りして、経済状況が良くなったときに処理した方がいいことは確かですので。ただ、いつまでも放置はできません。
(吉田ハンチング@dcp)